グラミー賞で話題のBTS、大躍進の昨年をデータで振り返る

ニューヨーク、SiriusXMスタジオを訪ねる(2020年2月21日、by Cindy Ord/Getty Images for SiriusXM)

ニューヨーク、SiriusXMスタジオを訪ねる(2020年2月21日、by Cindy Ord/Getty Images for SiriusXM)

7人組ポップグループBTSにとって、2020年はグループ結成以来最高の年になった。その論拠を挙げればきりがないほどだ。

ビルボードのシングルチャートで自己最高位を記録したばかりか、母国韓国の歌手がそれまで誰も成し遂げられなかった偉業を達成した。BTSは初めて同チャート1位を獲得(その後も2回1位となる)、数多くの曲をトップ10入りさせた。しかも1位、2位と2曲同時にチャート最高位を独占したこともある。それだけにとどまらず、昨年の快進撃を何より明確に示す以下のような数字がある。


韓国人歌手として空前絶後の快挙


2020年、BTSは自分たち名義の曲をビルボードのシングルチャート「ホット100」に12曲送り込んだ。これは音楽業界全体を見ても驚異的な数字であり、これまでその記録を超えたのはほんのひと握りの者しかおらず、むろんソロ歌手にしろグループにしろ、韓国人歌手ではまったく前例がない。

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2019年5月1日、ネバダ州ラスベガスのBTS。(左から)V、SUGA、JIN、JUNGKOOK、RM、JIMIN、J-HOPEが2019年5月1日にMGMグランドガーデン・アリーナで開催されたビルボード・ミュージックアワードに出席した(撮影Steve Granitz/WireImage)

BTSが2020年1年間に「ホット100」入りさせた曲の数は、前年までの(BTSも含めた)韓国人歌手のチャートイン曲を全部足しても追いつかない。

2019年以前に韓国人歌手の曲が「ホット100」にチャートインした数を見てみると、同国出身歌手がメインボーカルを務めるかフィーチャリングした曲が100位以内に入ったのは2019年と18年が同じ数で、わずか5曲ずつだった。

2020年のBTSは年明け早々に始動し、「Black Swan」をリリースした。フルアルバム『Map of the Soul: 7』の発売に先立つプロモーション効果を狙ったシングルだったが、「トップ40」圏内には届かなかった。とはいえ、これはまだ序章に過ぎなかった。

『Map of the Soul: 7』が発表されると、同アルバムに収録された3曲が「ホット100」にチャートイン、リード曲「ON」は初登場4位につけ、7人組の男性グループBTSの自己最高記録を更新した。「My Time」は初登場84位、「Filter」はそれよりわずかに下の87位だった。

初の全米1位獲得


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2017年3月22日にNY市、Music Choiseを訪れたBTS。(Photo by Santiago Felipe/Getty Images)

BTSが「ホット100」に再登場するのは半年後で、みごとな返り咲きだった。9月初めに全編英語詞の「Dynamite」が1位の座についた。それも初登場で首位に立ち、グループ初の全米1位に輝いた。その翌月、リミックスバージョンに参加した、ジェイソン・デルーロとジョーシ685によるヒット曲「Savage Love (Laxed – Siren Beat)」でふたたび歴史的快挙を遂げる。BTSがフィーチャリングに参加するや、同曲はヒットチャートを駆け上がり、BTSとデルーロにとっては2度目、ジョーシュ685には初の全米1位をもたらした。

「Dynamite」は2020年末に発売された同年2枚目の韓国語のアルバム『BE』のファーストシングルで、初登場1位を獲得。また、同アルバムが全米アルバムチャート「ビルボード200」で初登場1位を記録した週に収録曲が多数、100位以内にランクインした。「Dynamite」のほか、初登場1位は「Life Goes On」。ほかに、「Blue & Grey」(13位)、「Stay」(22位)、「Fly To My Room」(69位)、「Telepathy」(70位)、「Dis- ease」(72位)の5曲がチャートインしている。

翻訳・編集=小林さゆり/S.K.Y.パブリッシング/石井節子

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