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Getty Images and (C)Fiskerinc

著名自動車デザイナーのヘンリック・フィスカーが率いる新興EV(電気自動車)メーカー「フィスカー(Fisker Inc.)」が、アップル製品の生産を請け負う台湾のフォックスコンと提携し、新たなEV車両を共同開発する。

2月24日の合同発表資料によると、両社は「Project PEAR」と呼ばれるクロスオーバー車両の生産を2023年第4四半期に開始する予定で、北米や欧州、中国での販売を計画中だ。フォックスコンはこの車両を最大25万台製造するという。プロジェクトの費用の詳細や、新型車両の販売価格は現時点では非公開となっている。

フィスカーの会長兼CEOのヘンリック・フィスカーは声明で「フォックスコンと当社は、同じ志を持ち、伝統的な業界で新たな価値を創造しようとしている。私たちは、世界で最も持続可能な自動車を作るというコミットメントを実現させつつ、先進技術と魅力的なデザインを融合させた新たなバリューを持つ自動車で、社会の枠組みを超えていく」と述べた。

EV業界ではテスラをはじめ、新興企業のルーシッド・モーターズやリヴィアンらが、自社工場の建設に数十億ドルもの費用を費やしている。しかし、フィスカーは「アセット・ライト」のアプローチをとり、自社工場を持たず製造は外部に委託しようとしている。

フォックスコンは、スマホの受託製造で知られるが、近年はEV市場への参入にも意欲的で、昨年1月にフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)と合弁会社を設立し、2年以内にEVを出荷すると発表した。さらに今年1月には、中国の自動車メーカーGeely(浙江吉利控股集団)と合弁会社を設立しており、将来的にBytonやFaraday FutureのEVを製造する可能性がある。

フォックスコンのヤン・リュー会長は声明で、「EV開発の成功の鍵となる要素には、電動モーターや電気制御モジュール、バッテリーなどがある。当社には、垂直統合された優れたグローバルサプライチェーンと業界最高のサプライチェーン管理チームという2つの大きな強みがある」と述べた。

従来の半分の時間で新型車を投入


今回の提携についての詳細な条件は、2021年の第2四半期末までに決定されるという。「両社のコラボレーションで、新型車両の研究開発から生産開始までのプロセスはわずか24ヶ月に短縮され、従来の半分の時間で新しい車を市場に投入することが可能になる」とヤン・リュー会長は述べた。

フィスカーが最初に市場に投入する電動クロスオーバー車両「オーシャン」の製造は、自動車部品メーカーのマグナが手がけ、2022年後半から始動する。マグナはフィスカーの出資元でもある。フィスカーによるとこの車両の初期生産台数は1万2000台で、ベース価格は約3万8000ドルという。

モルガン・スタンレーの株式アナリストのアダム・ジョナスはリサーチノートの中で、「フォックスコンは単なる典型的なパートナーではない。彼らは世界最大のメーカーだ」と述べている。「フォックスコンは最終的には世界最大のEVメーカーの1社として浮上する可能性があると、我々は以前から考えてきた」

2020年の後半にSPAC(特別買収目的会社)との合併で株式を公開したフィスカーの株価は、2月24日のニューヨーク市場で37%上昇し、22.58ドルをつけた。

編集=上田裕資

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