ビジネス

2021.02.25

企業が迫られるビジネスの「進化」 実現に向けた3つの方法

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顧客体験アドバイザーのジーン・ブリスはビジネス情報サイト「カスタマー・シンク(Customer Think)」の記事で、フィードバックを集める際には、自社の方向性が正しいことを確認しようとするのではなく、顧客を理解することを目的としなければいけないと指摘している。

「アンケートは時に、自分たちがすでに重要だと考え、顧客からパフォーマンス評価を得たいことについて確認する手段にもなる。しかし、こうした既存の考えが、完全に意味のあるものであることは少ない。世界は変化し、顧客の優先事項や目標も変わった。経済面、そして真摯(しんし)な会社という印象を顧客に残す上で、いち早く頭角を現わせる企業は、顧客のペインポイントや優先事項、そして自社がどこで価値を加えられるかを学び、理解する方法を見つけることになる」(ブリス)

3. マーケティングに注力する


今はマーケティング攻勢をかけるには最悪の時期に思えるかもしれないが、過去の事例をみるとその逆であることが示されている。マーケティング企業ボス・クリエーティブ・エージェンシー(Boss Creative Agency)の共同創業者、ピーター・ビシェーとセス・ウェストファルは筆者とのズーム会議で、興味深い情報を共有してくれた。

「ほかの誰もがパニックに陥り、切り詰められる部分はすべてするためにマーケティング活動を停止したとき、(米ファストフードチェーンの)ポパイズなどの企業は、数カ月にわたり店内飲食の営業を停止する中でも宣伝を続けた。その結果、売り上げはすでに前年比で40%以上増加した」

「こうした企業は、自社のビジネスモデルが『ニューノーマル(新常態)』の規則に沿うようにしつつ、広告予算を増やした。その結果、新型コロナウイルスが流行する中でも危機に陥らないどころか、繁盛さえしている」

この話からは、現在のような時期にあってもマーケティングの機会をつかむことの重要性が示されているが、ビシェーとウェストファルは一方で、タイミングが肝心だと強調した。

「企業が現在自問すべきことの一つは、『私のブランディング方法は、今の世界のオーディエンスに対して必要な形で訴えかけられているだろうか?』だ。これまで『ずっとうまく行っていた』やり方は、すでに全く意味がなくなっているかもしれない。私の個人的なお気に入りは、すべてがコロナ前と全く同じ状態に戻ると信じ、『終わるのを待とう』などと考える企業だ。大半のアナリストは消費者行動が永遠に変化するという見通しで一致しているのに」

一つ確実なことは、ここ1年でこれほどまで変化した世界では、変わらないものは何一つないということだ。この先どうなるかはまだ分からないが、企業は、どのようなものであれ必要な進化を遂げることを選び、顧客に価値を提供することに焦点を当てることで、時代の先を行き続けることができる。

編集=遠藤宗生

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