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2021.02.25

イーロン・マスクを脅かすテスラ出身起業家5人が目指すEV革命

左からピーター・ローリンソン、スターリング・アンダーソン、ヘンリック・フィスカー(by Getty Images, Aurora)


ピーター・ローリンソン(ルーシッド・モーターズ共同創業者兼CEO)

英国の名門インペリアル・カレッジ・ロンドンで学んだローリンソンは、ロータスやジャガーに勤務した自動車業界のベテランで、2009年にテスラに入社した。マスクと意気投合した彼は、テスラが2012年に発売した「モデルS」のチーフエンジニアを務めていた。

その後、モデルXの開発プログラムを巡ってマスクと対立したローリンソンは2012年に同社を離れ、現在はカリフォルニア州ニューアークに本拠を置く新興EVメーカー「ルーシッド・モーターズ」のCEOを務めている。

ルーシッド・モーターズは、サウジアラビアの政府系ファンドから13億ドルの資金を調達し、16万9000ドルの高級EVとして話題の「ルーシッド・エア(Lucid Air)」を今春発売予定だ。

ルーシッド・エアの1充電あたりの航続距離は、テスラのモデルSの402マイルを上回る、517マイル(約832キロ)で、停止状態から時速60マイル(約97キロ)までわずか2秒強で加速する性能を持っている。「私はテスラの競合製品を送り出そうとしているのではない。私のライバルはメルセデス・ベンツだ」とローリンソンは話している。

JB・ストラウベル(レッドウッド・マテリアルズ創業者兼CEO)

2003年にイーロン・マスクと共にテスラを共同創業したJB・ストラウベルは、創業当初から同社のCTOを務め2019年までテスラに勤務していた。彼の昔からの夢は、電気自動車で炭素汚染を削減することだった。

ストラウベルが創業したバッテリーリサイクル企業「レッドウッド・マテリアルズ」は、EVメーカーが排出する使用済みバッテリーに含まれる、リチウムやコバルト、ニッケルなどの物質が埋め立て地に流れ込むことを防ぎ、環境に与えるダメージを低減しようとしている。

ネバダ州カーソンシティ本拠の同社は、2020年9月に4000万ドルの資金調達の実施を発表し、パナソニックやアマゾンとリサイクルプロジェクトを始動するとアナウンスした。

ストラウベルは、VWやビル・ゲイツの財団らが出資する全固体電池メーカーのクァンタムスケープ(QuantumScape)の取締役も務めている。クアンタムスケープは昨年、SPACとの合併で上場を果たした

フォーブスは、クアンタム社とテスラの株式を保有するストラウベルの保有資産を10億ドルと推定している。

翻訳・編集=上田裕資

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