ウイグル族収容施設内の性的虐待、その実態を女性たちが証言

Photo by Dursun Aydemir/Anadolu Agency via Getty Images


中国共産党は、このBBCの報道についてまだコメントしていない。だが、こうした証言の内容は否定される可能性が高いとみられる。実際、強制的な不妊手術や妊娠中絶についての告発に異を唱える声明のなかで、駐米中国大使館はこうツイートした。「過激主義を一掃するプロセスのなかで、新疆のウイグル族の女性たちの精神は解放され、男女平等やリプロダクティブ・ヘルスが推進されていることが、研究により示されている。彼女たちはもはや、子どもを産むだけの機械ではなくなり、自信を持ち、自立した女性になったのだ」

このツイートの狙いは、強制的な不妊手術や妊娠中絶を「女性の解放」として描くことだ。その後、このツイートは、規約違反だとしてツイッターによって削除された。

ウイグル族の過酷な状況に関するこうした告発からは、ジェノサイド(集団虐殺)や人道に対する罪など、国際法上の犯罪であることが強く示唆される。だが国際社会の動きは鈍く、これらの残虐行為に対して捜査のメスを入れ、責任者を処罰するための方策はほとんど取られていない。

国際連合をはじめとした国際機関もほぼ声をあげておらず、実効性の薄い声明を何回が出すだけにとどまっている。こうした声明は、標的となった少数民族コミュニティの命運を変えるだけの決定的な行動にはつながっていない。

国際社会が目を覚まし、行動を起こすために、これ以上どのような証拠や証言が必要なのだろうか。そう疑問に思わざるを得ない状況だ。

翻訳=長谷睦/ガリレオ

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