ところが10代の頃の自己探求の旅を経て、運命的な出会いをし、自分のやりたいことに目覚めたときから、勉強に目覚め、学習障害を乗り越えて大学ではみんなが教えを乞うほどの秀才になってしまったのです。
彼自身が「奇跡の人」なので、いま、精神的な悩みや障害を抱えた人たちを救うことができるのかもしれません。
さらに本書では、小熊さんが10代の頃から抱えてきたトラウマをディマティーニ・メソッドで克服した経験が紹介されています。
小熊さんによると、「辛い」と感じることはすべて自分が善悪で判断していることに起因しており、自分自身を中立な状態にもっていくことができれば、それは克服できる。そして、悩んでいることから解放され、道が開けると感じられるのです。
言い訳せずに自分のミッションを完遂する強靭さ
次に、営業の神様=ブライアン・トレーシーと、世界一のお金の教育者=ロバート・キヨサキという大局的な2人を紹介します。
2人とも世界的なビジネスの指導者ですが、キャラクターは対照的。ブライアンは完璧な紳士でビジネスパーソンです。語り口はおだやかで上品。それに対してロバートは激情家で、スタッフはもちろん、ファンに対しても激しい言葉を浴びせることもあるそうです。ブライアンが平和の国の王様なら、ロバートは、戦いに邁進する国の王様といった感じです。
それでも、小熊さんは2人には絶対的な共通点があると言います。それは、肉体的な苦しみさえも乗り越えて、自分の思いを届けようとする「強靭さ」です。
ブライアンは、日本での講演の数年前に椎間板ヘルニアを患って体を思うように動かせなくなり、そのせいで立って講演ができないほど衰弱してしまったそうです。それでも、話し始めれば、あっという間に聴衆を魅了してしまったのです。一方、ロバートは、講演前に肺炎にかかり、医師から1〜2時間も講演したら命の危険があるとさえ言われたことがあります。にもかかわらず、檀上で堂々たる講演をやり遂げたのです。
対照的な2人ですが、どちらも「言い訳せずに自分のミッションを完遂する」強靭さを示していることから、小熊さんは、自分のやるべきことがわかっていれば、その表現方法はどんな形でも良いのだと感じます。
世界的に著名な講演家の「日本語の声」となり、本人に憑依するかのごとく感情豊かに同時通訳する、自称“イタコ通訳”の小熊弥生さんならではの観察眼と、そこから見いだされた成功哲学が詰まった1冊です。
(この記事は、小熊弥生著『世界一100人を同時通訳してわかった「最速」で結果を出す人の成功哲学』から編集・引用したものです)