ビジネス

2021.02.24 07:30

旅行客に人気のグッチがコロナで打撃、2020年は23%の売上減

中国・ 重慶市にあるグッチのショップ(2020年9月撮影、Getty Images)


しかし、海外旅行の回復はまだまだ先とみられる。免税および旅行小売の業界団体デューティーフリー・ワールド・カウンシル(DFWC)が2月に開催したウェビナーにおいて、国際空港評議会(ACI)の経済部門バイスプレジデントを務めるパトリック・ルーカスは、旅客が速やかに戻ることはないとの慎重な見方を示し、次のように述べた。
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「国際的な旅客数は、2024年までには2019年のレベルに回復すると思われるが、国際交通に大きく依存しているヨーロッパでは、さらに長い時間を要する可能性がある」

そうしたなかでグッチは、創設100周年を迎える今年、消費者とのコミュニケーションに注力する計画だ。ブランドのメッセージとイメージのあらゆる側面をより一層コントロールする一方で、卸売を縮小することで、引き続きグローバルな流通をコントロールしていく予定だ。

ピノーは次のように述べている。「我々の戦略とモデルは、現在および将来のラグジュアリーのトレンドと完全に同期していると確信している。我々はこの危機を、より強くなり、回復基調をうまく利用できるポジションを得ることで脱却しようとしている」
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Eコマースとオンライン・マーケティング


ショッピングする旅行客をほとんど頼みにできない状況でそのようなポジションを得るには、Eコマースに重点を置くことがカギになるだろう。Eコマースは2020年に急成長を遂げ、小売全体の売上高に占めるシェアを2019年の7%から13%に伸ばした。

ケリング傘下の各ブランドのオンライン販売は、既存顧客を共食いすることなく、新規顧客へのアクセスを提供できるいくつかのオンラインプレーヤー、例えば中国の天猫(Tmall)といった業者との、非常に厳密にコントロールされたパートナーシップを通じて行われている。

より広範なEコマース戦略として、Tmallのようなパートナーと組む目的は、卸売事業を縮小することで失われる売り上げを回復させることにある。オンラインへの注力を強化するなかで、2021年は特にグッチを中心に、より多くの、かつコンスタントなマーケティング活動が展開され、Eコマースを新たなレベルへと押し上げることが予想される。

翻訳=高橋朋子/ガリレオ

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