ルーシッドCEOのピーター・ローリンソンは最近のフォーブスの取材で、アリゾナ州カサグランデの工場で製造中の16万9000ドルの高級EV「ルーシッド・エア」の数カ月後の発売に向けて、新たな資金調達を模索していると述べていた。
ルーシッドは、今回の取引でチャーチル・キャピタルから約21億ドルの現金を調達し、さらに25億ドルを私募増資でサウジアラビアの政府系ファンドPIFや、ブラックロック、フィデリティ、フランクリン・テンプルトン、ノイバーガー・バーマン、ウェリントン・マネジメント、ウィンスロー・キャピタル・マネジメントなどから調達する。
「当社は、(テスラと)競争できる技術を持っていると確信している。今回の取引は、当社の工場の準備や2023年までの成長に必須の資金を提供してくれるものとなる」と、ローリンソンは述べている。
両社は今回の取引に際し、合併によって誕生する企業の評価額をプレマネーベースで117.5億ドルと見込んでいた。しかし、前もって行われる資金調達と、PIPE(私募増資)にあたり提示されたルーシッドの株価が当初の予想を50%上回る1株あたり15ドルであることを考慮に入れると、評価額は最大240億ドルまで上昇するとチャーチル・キャピタルは声明で述べた。
今回の資金調達でルーシッドは、これまでテスラが主流を占めてきたEV市場で、事業を迅速に進めることが可能になる。同社のアリゾナ工場は、今回の取引で十分な資金を調達し、3~5年以内に4万ドル台半ばの車両を追加することで、最終的には年間36万5000台の製造を目指している。