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2021.02.27

地方動画は「オワコンではない」を証明した、長野市のファン作り

自分の言葉を持つ人の発信力が地方動画を変える/Nagano City Trip第1弾YouTuber 関根りさ


関根りさ版のメイキング動画は20万PVに迫る勢いだ。

シティトリップのページ
ページ閲覧者の受け皿となる長野市の特設ページ。Nagano City Trip

「関根さんのページで完結するのではなく、お互いのサイトを行き来でき、そしてこちらのページでは実際に来ていただけた時に楽しんでもらう仕掛けを現実に用意する。この循環ですね。今後展開するコンテンツでも、足を運んでくださった方によろこんでいただける企画を考えています」(荒井)

地方動画が進化していく


今回の長野市の動画施策では、第1弾の関根りさをはじめ合計3人・組の動画がアップされているが、どの担当も引き受ける時点で「長野の観光資源に好意をもっていただいた」(荒井)という。

Vlog動画のプロたちは、どこを切り取るかのプロでもある。その目から見た長野市が、切り取れる魅力をいくつも持っていたのだろう。長野市にはwithコロナ時代に合う観光資源があり、その価値を動画で『共感』してもらい、そして訪れてもらう。どれが欠けてもだめだ。最後に荒井が言う。

「長野市の長期戦略2040では、この10年が『挑戦期』。今回の施策で得られたデータが今後のデジタル戦略に大いに役立つと考えています」

現在、Nagano City Tripは第3弾まで公開している。クイズ王伊沢拓司率いるクイズノックが戸隠の魅力をクイズとともに紹介する第2弾、そして長野市出身の俳優、岡宮来夢が故郷を紹介する第3弾を合わせれば114万再生にのぼる。また、Special contentsとしてインスタグラマーの石井里奈と現地の学生による〈インスタ映えする松代〉をめぐる旅でも共感を感じられるものとなっている。視聴者と対等でインタラクティブな関係を作れたからこそ、今回の長野市の施策は成果を上られたのだろう。

地方動画は、時代とともに変わるのだ。

文=坂元耕二

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