ファウチ博士は2月21日のCNNの番組「State of the Union 」で、今年の秋か冬までに「米国が平常に近づく」というバイデン大統領の予測に同意すると述べたが、この国が 「2019年11月と全く同じ状況」になるためには、もっと長い時間が必要かもしれないと警告した。
博士は、正確な予測は避けたが「コミュニティに存在するウイルスの活動状況」に応じて、一般的なマスクの使用が2022年に入ってからも継続している可能性があると述べた。
ファウチ博士は、マスク無しの外出が安全だと宣言できるのは、ウイルスからの脅威が無いことが確認されてからになると述べ、今後の複雑化を招く要因として、英国や南アフリカで発見された感染力の強い変異株の存在を挙げた。
「国のほとんどの人がワクチンを接種済みで、コミュニティ内のウイルスのレベルを非常に低く抑えられている状況が実現できれば、マスクを着用する必要はないと言えるだろう」とファウチ博士は話した。
博士は、たとえ2022年までマスクの着用のような予防措置が継続したとしても、人々の暮らしは現在と比べるとずっと楽になるはずだと述べている。
米国では、ワクチンの普及が比較的順調に進んでいることから、社会が日常に戻ることへの期待が高まっている。米国は世界のどの国よりも多くのワクチン接種を実施しており、対人口比でEU諸国の3倍、カナダの5倍近い速さで接種が進んでいる。
ワシントン・ポストのワクチン追跡調査によると、米国人は優先順位の高い人々の間で35.1%、総人口の12.9%が少なくとも1回のワクチン接種を受けている。ここ一週間でテキサス州などの南部を襲った冬の嵐は、一時的な遅延を生じさせたが、ファウチ博士とホワイトハウスのジェン・サキ報道官は21日、今後の数日間で接種のスピードは元に戻る見通しだと述べた。