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2021.02.23

大人気二日酔いサプリのNo Days Wasted、店頭販売も開始へ

Getty Images

二日酔い予防サプリメントを手がけるカナダのスタートアップ、ノー・デイズ・ウェイスティッド(No Days Wasted)は、2021年に大胆な計画を立てている。米テスラ出身のニシャル・クマール最高経営責任者(CEO)によると、3月にサプリメントグミ分野に進出するほか、従来のネット通販に加え、近く実店舗でも販売を始める計画だ。

ノー・デイズ・ウェイスティッドの製品は発売以来、オンラインで人気が沸騰。同社は昨年、カナダのリアリティーテレビ番組「ドラゴン・デン」で、ベンチャーキャピタル、クリアバンク共同創業者のミシェル・ロマノーから出資の約束も取りつけている。

ノー・デイズ・ウェイスティッドは、テスラの製品スペシャリストだったクマールが創業し、主力の「DHMデトックス」を皮切りに、二日酔いをはじめ飲酒による副作用の予防に役立つ製品を開発している。

今年の売上高は、計画する事業拡大の効果などで200万ドル(約2億1000万円)をゆうに超える見込み。2019年の80万ドル、2020年の120万ドルから大幅な成長となる。

消費者の間では、二日酔い予防や水分補給製品に対する需要が高まっている。市場調査会社のグランドビュー・マーケット・リサーチによると、こうした製品の世界市場規模は2025年には30億2000万ドル(約3190億円)に達する見通しだ。2019年の12億7000万ドルから年平均15%の成長を遂げている。

「夜、友人とほんの数杯飲んだだけなのに、次の日、ひどく気分が悪いことがあったんです」とクマールは話す。「二日酔いを治すのにもっとよい方法はないのか知りたくなり、二日酔いが起きるメカニズムを探り始めました」

ノー・デイズ・ウェイスティッドの製品に使われている化学物質DHM(ジヒドロミリセチン)は、元々は日本などアジアの一部に自生するケンポナシに含まれるもの。南カリフォルニア大学のチームによる最近の研究では、肝臓のエタノール分解酵素の生産を促すだけでなく、炎症反応を抑制して肝臓の健康を守ることにも役立つ可能性があることがわかっている。

ノー・デイズ・ウェイスティッドは最初からデジタルファースト戦略を採っており、D2C(消費者直販)が売り上げを牽引する。なかでもアマゾンでの売り上げが総売り上げの3〜4割を占めているという。

同社の2021年最大の計画は実店舗や世界でプレゼンスを拡大することで、現在、小売り数社との提携を模索しているという。クマールは、卸売りの交渉も数件進めていると明かす一方、第一の目標は「セブン-イレブン」や酒販店に製品を置いてもらうことだと語っている。

ロイヤルカスタマーを獲得し次第、ノー・デイズ・ウェイスティッドは最初のエクイティー(出資)ラウンドに臨む見通しだ。これにより、同社の評価額はおよそ1000万ドル(約10億6000万円)に膨らむと予想される。

編集=江戸伸禎

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