フォンタナ教授によれば、こうした損傷によって懸念されるのは、患者が「心不全を起こすリスクが高まった可能性がある」ことだ。COVID-19の重症化が引き起こすのが一般的な心臓の損傷であり、おそらく心臓の機能そのものに影響を及ぼすことはないとしても、どのような損傷が起きているかを明確にすることは、リスクが高い患者と低い患者を特定するために有用なことだという。

ますます多くの研究結果が、感染の影響が長期的に残る可能性があることを示している。今後はさらに、入院が必要なほど状態が悪化しなかった感染者についても、心臓にどのような影響を受けていたか明らかにしていく必要があるだろう。

2020年6月に米国医師会雑誌(JAMA)に発表された研究結果では、COVID-19にかかり、回復したばかりの患者の78%に、心臓の異常が確認された。また、60%は炎症が継続していたという。

そのほか感染後に回復した医療従事者を対象に行われた別の研究では、調査対象者のうち約40%が、心筋炎または心筋心膜炎と診断されていたことが分かっている。このうち検査を受けた時点で感染の症状があった人は、半数以下だった。

こうした研究結果が示すのは、感染者は無症状でも、心不全を起こすリスクが高まるということだろう。今後数十年にわたり、心臓に問題を起こす人が増加していく可能性があるとみられている。

編集=木内涼子

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