テキサスの住民らはソーシャルメディアに、膨大な電気代が記された請求書の写真を投稿。中には、月の締め日がまだ来ていない段階ですでに電気代が1万7000ドル(約180万円)に膨れ上がった人もいたと報じられている。
同州の公共料金を規制するテキサス公益事業委員会は15日、同州の送電網運営機関であるテキサス電気信頼性評議会(ERCOT)との緊急協議で、寒波に伴う需要増大で電力供給が逼迫していることを受け、電気料金の値上げを決定した。
これにより電気料金は5日間にわたり1MWh(メガワット時)当たり9000ドル(約95万円)に高騰。ロイターによると、これは寒波前の平均レートの180倍に相当する。
この値上げにより影響を受けた変動レートプランを提供する電力会社グリディー(Griddy)は13日、価格高騰の見通しを受け、3万世帯の顧客に対し、値上げ後の電気代を支払えない場合は事前に他の電力会社に切り替えることを奨励した。
ERCOTのデータによると電気料金は現在までに90%ほど下落したが、テキサス州のグレッグ・アボット知事はERCOTの対応に対する調査を要請。さらに、電気代高騰の影響を受けた住民に対する支援策を表明したと伝えられている。
フォーブスはERCOTに対し、電気代が高騰した顧客の数などを問い合わせたが、回答はまだ得られていない。地元紙ダラス・モーニング・ニュースによれば、住民の多くは固定レートプランを選択しており、影響を受けなかったとみられる。
テキサスは米国で唯一、独自の送電網を運営している州で、主な設備はすべて州内にあることから、運営は連邦政府からの直接管理がほぼない状態で行われている。これによりエネルギーコストの節約が可能になった一方で、緊急時には国内の他の送電網に頼ることができなくなっている。