また先週、三菱アウトランダーPHEVがフルモデルチェンジをした。アウトランダーは三菱が世界に展開しているクロスオーバーSUVで、2001年の初代デビュー以来、これまでに累計260万台が販売されてきた。
さらに、そのPHEV仕様が欧州で大人気となり、販売台数が27万台を突破。今回発表された4代目のモデルは、従来型から刷新された外観や、新開発のプラットフォームと進化した4WD制御によって高められた走行性能がポイントだ。また、内装はレンジローバーの質感に近く上質な車内空間に生まれ変わっているところが注目されるはず。
三菱アウトランダーPHEV
2月18日に、日産は欧州で販売を予定している新型クロスオーバー「キャシュカイ」を公開した。欧州で日産のブランドイメージを変えたキャシュカイは、欧州市場で初めてアライアンス CMF-Cプラットフォームを採用したモデルであり、欧州初となるe-POWERも追加投入される。
パワートレーンでは、日本で大人気のe-POWERの他に、新開発の12Vマイルドハイブリッドシステムを組み合わせた1.3リッターの直噴ターボエンジンを搭載した仕様も用意。欧州でのe-POWERに対する初評価は気になるところだ。
NISSAN カッシュカイ
ホンダも同タイミングで世界戦略車の新型「ヴェゼル」(海外名:HRーV)を発表した。120か国で販売されるこのクロスオーバーはなんと8年で380万台の大ヒットとなっている。多少、マツダのSUVの顔を思わせるスタイリングを採用したヴェゼルは1.5Lガソリン仕様もあるが、メインは2モーターハイブリッド・システム「e:HEV」を搭載した新ハイブリッド車になるだろう。
ホンダ ヴェゼル
2025年までに、年間100万台のEV車を販売することによって、世界一の座を獲得できると確信しているとアメリカのゼネラル・モーターズのメアリー・バーラ社長が言う。この台数を可能にするのに、中国を含む全世界で2020年代半ばまでに30台のEVを出すそうだ。
テスラをやっつけたいと言う気持ちが強いらしく、大きくコスト削減と生産能力を上げる「ウルティム・バッテリー・システム」を導入するとバーラ社長。その30台の中に、「ハマーEV」も入っているらしい。
日本から既に撤退したフォードは、欧州でフォルクスワーゲンのMEBプラットフォームをベースにした「ミニ・マスタングMach-e」を2023年に出すと発表した。同車は話題のEV車「マスタングMach-e」からインスピレーションを受けてるようだ。
アウディもついに最近、637psを発揮する新型EV「RS e-tron GT」を披露した。800Vシステムが装備されており、従来のシステムと比較して充電時間が大幅に短縮されるそうだ。バッテリー容量の80%を充電するのに必要な時間はおよそ20分で、320km以上の航続を可能にした。
これらのニュースを見て、ふと思った。
ついに、これでEV車や次世代ハイブリッドが今までガソリン車にしか乗りたがらない一般人にも浸透したような気配がする。この動きを刺激しているのは、どんどん進歩するバッテリー技術だ。今現在、高価格、航続距離に対する電欠の恐れ、充電問題はまだ気になるユーザーがいるようだけど、ついにバラエティに富んだEV車が登場し、次世代バッテリーのおかげで航続距離が伸びることによって、躊躇していた人もEV車などに挑戦してみようという時代になりつつある。
国際モータージャーナリスト、ピーターライオンの連載
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