コロナ禍で誕生した「ワクチンツアー」 各国の富裕層が殺到

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また英紙ガーディアンが今月初めに報じたところによると、年会費2万5000ポンド(約370万円)の「旅行・ライフスタイルサービス」であるナイツブリッジ・サークルは、65歳以上の会員向けに、アラブ首長国連邦(UAE)で中国のシノファームが開発したワクチンの接種を受けるツアーを宣伝。ナイツブリッジ・サークル創業者のスチュアート・マクニールはニューヨーク・タイムズ紙に対し、このツアーを発表してから2000件の入会申し込みがあったと語った。

キューバとUAEもワクチンツアーを宣伝


UAEのドバイ首長国は最近、デジタルノマド招致策として、ドバイで1年間「海のそばで暮らし働く」ことができる上に、追加の特典としてUAE居住者全員が対象となるワクチンの接種も受けられるとアピールした。

仏経済紙レゼコーによると、キューバもまた、「ビーチとカリブ海、モヒート、そしてワクチン」という宣伝文句で外国人を呼び込んでいる。同国は、今年上半期中に自国製ワクチン「ソベラナ2」を1億回分生産し、接種することを目指している。

根強いメディカルツーリズム人気


ニューヨーク・タイムズ紙によると、米国では新型コロナウイルスの世界的流行にもかかわらず、国内では高過ぎて受けられない治療のために海外に渡航しようとする人が今も多数存在する。

世界のメディカルツーリズムに関する情報を集めたガイド本「Patients Beyond Borders(国境を超えた患者)」によると、メキシコとコスタリカは歯科治療・美容整形・処方薬のための旅先として人気が高い一方で、整形外科や心臓血管系、がん、不妊治療などのより高度な処置ではタイやインド、韓国が人気だ。

編集=遠藤宗生

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