「体験」の質向上に迫られるヘルスケア業界
ヘルスケア業界は、大変革を迎えている。
デジタル化により消費者がアクセスできる情報は増え、利便性も格段に上がった。ウェアラブル端末の登場により、自分で健康を維持するセルフメディテーションの考え方も広まりつつある。これらの劇的な変化により、これまでは型どおりのサービス提供で問題がないと思われていたヘルスケア業界も、質の高い体験を提供できるようにサービスを改善する必要が出てきた。
「質の高い体験」とは、サービスを享受する側、つまり患者側ができるだけストレスなく、丁寧かつ満足のいくサービス受けられる体験ということである。これまで、予約もできない病院に体調のすぐれないなか足を運び、何時間も待ちぼうけを食らったあげく診察はごく短時間で終わり、診察後に訪れた薬局では一から症状を尋ねられてしまう、などといった経験をした方も少なくないだろう。
現在でもすでに一部でオンライン診療やオンラインでの服薬指導が始まっているほか、電子カルテの普及も進んでいる。ヘルスケアは中心となる医療領域から大きく変わり始めている。
デジタルネイティブ世代が求める「コミュニティ」
こうした変化の背景には検索エンジンやSNSなどのツールを使い慣れたデジタルネイティブの世代が症状を自らインターネットで調査し、知識を得たうえで医療サービスを受ける傾向にあることがあげられる。
このようにインターネットがヘルスケアの情報収集においても大きな役割を果たしていることは言うまでもないが、顧客体験という観点においてもデジタルを介したサービスが求められるようになっている点は注目すべき点かもしれない。ヘルスケア関連企業によるコミュニティ形成が必要と答えた割合は、ミレニアル世代・Z世代では6割以上にものぼったのである。
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一人ひとりの患者との「信頼」がカギ
データやデジタルの活用が求められる一方で、一般に晒されたくない個人情報を扱うヘルスケア領域ではセキュリティに対する視線も厳しい。そこで重要度を増すのが、「信用」や「信頼」といった指標だ。
ヘルスケア業界において信頼するセクターとしては、やはり医療機関が一位となった。ただし、各セクターへのニーズは異なっており、ヘルスケアにおいては幅広く各セクターとの信頼関係を構築していくことが必要だということがわかる。
データやテクノロジーの活用余地が大きいヘルスケア市場。この市場では丁寧に「信頼」を築き、より体験価値を高められるサービスが求められている。
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※イラスト素材:ivector/Shutterstock
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