「せいせいした」 トランプ・プラザ爆破を祝った地元の心境

著者撮影


未払い金は8万5000ドル(約900万円)に上り、エドワードはトランプを訴えたが、最終的に支払いは受けられなかった。会計を担当していた息子のポールによれば、さらに会社は市内での仕事を干されてしまったという。

「アトランティックシティーではもう仕事がもらえなかった」とポールは語った。祖父の代から続いていた会社は、4年以内に倒産。エドワードはニュージャージー州南部で自動車販売の仕事を見つけ、亡くなるまでそれを続けた。

ポールはトランプ・プラザの解体について、次のように心境を語った。「トランプ・プラザ解体がうれしいかと言われたら、それはそうだ。新たなプロジェクトにより、雇用と一筋の光がボードウォークに戻るといいと思う」

「私は仕返しを望むような人間ではない。トランプが好きかと聞かれたら、もちろん好きではない。彼は最低な人間だと思う。このタワーは解体してほしいし、それによりアトランティックシティーと住民に雇用がもたらされればと思う」

カール・アイカーンは、トランプ・プラザ跡地についての今後の計画を明らかにしていない。

一つ確実に言えることは、トランプ・プラザの土地にすぐに光が戻ることはないということだ。高さ20メートル以上に積み上がったがれきは初夏までそのままだろう。アイカーンが今後の計画を発表するまで、この土地はさら地になり、おそらく駐車場として使用されるだろう。なぜなら、それがアトランティックシティーのやり方なのだから。

編集=遠藤宗生

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