今後期待できるクリーンで再生可能なエネルギー分野のトレンド

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「低炭素の未来」への変化が加速


大規模で一貫した炭素税の制度が必要となるだろう。再生可能エネルギーは定着すべきであり、それを政策やプログラムへと反映させなくてはならない。現在の税制と政策は、政権を握る政党が変われば変わってしまうが、より包括的で整合性のあるものにすることで、すべての企業が再生可能テクノロジーへとシフトせざるを得なくなっていくだろう。

気候変動とエネルギー政策の世界的第一人者に数えられるオットマー・エーデンホッファー(Ottmar Edenhofer)は、カーボンプライシングについて、バイデン政権が再生可能エネルギーを推進していくための主要な手段のひとつになり得ると述べている。

政治専門紙「ザ・ヒル」に寄稿した記事のなかで、エーデンホッファーはこう述べている。「地球の気候を揺るがす二酸化炭素に価格をつけることは、物品(goods)ではなく有害なもの(bad)に課税するということだ。温室効果ガス、とりわけ二酸化炭素を排出することが高価になれば、クリーンな再生可能エネルギーは安価になる。─中略─ これは、市場を基盤とした解決策である。超党派の政策であるのはそのためだ」

また、エネルギー貯蔵のコスト削減を引き続き進めていく必要もあり、そのためには革新的なエネルギー貯蔵技術の力を借りなくてはならない。クリーンで再生可能なエネルギーが急速に採用されつつあるが、その足かせとなっているのが、エネルギー貯蔵コストの高さだ。再生可能テクノロジーにかかるコストは減り続けているので、エネルギー貯蔵はグリーン革命で重要な役割を果たすようになるだろう。

最後に、低炭素の未来へとシフトするうえで間違いなく重要なステップとなるのが、新型コロナウイルス・ワクチン接種の迅速な展開だ。

世界が再び元通りになることを、誰もが心待ちにしている。それに異論はないはずだ。ワクチン接種が効果的かつ首尾よく進めば、経済は力強い回復を見せるだろう。

経済刺激策によって、グリーン革命がいっそう推進され、クリーンな再生可能テクノロジーとビジネスモデルを支援する革新的・積極的な融資モデルが可能になるだろう。そうなれば、パンデミックはむしろ、気候変動の極端な影響を回避する助けとなるかもしれない。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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