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・市場拡大とリスク分散

LVMHの売上高と成長は、アジア地域、特に中国に大きく依存している。売上高に占める割合は、アジア地域が34%、南北アメリカは24%だ。一方、ティファニーは売上高の大半を南北アメリカに頼っている。2019年の売上高は、同地域が43%、アジア太平洋地域が28%を占めた。

米国はその購買力だけをみても、LVMHにとって非常に大きな潜在市場だ。ビリオネアの数も、米国が1860万人であるのに対し、中国は440万人だ。中国やアジアで経済が低迷したり、経済危機に見舞われたりしても、LVMHはティファニーによってリスクを分散しておくことができる。

・商品構成のローカライズ

LVMHの幅広いサプライチェーンがあれば、ティファニーはより迅速に、適切な市場に適切な商品を投入できる。フイは、「成功するには、ティファニーはそれぞれの市場にあったコレクションを開発することに集中し続ける必要がある」「地域ごとに、商品を特化できるはずだ」と語る。

「たとえば婚約指輪は、日本ではソリッドなもの、アジアではダイヤモンド、欧州ではゴールド、そして南北アメリカでは依然としてシルバーが人気だ」

・「ブルーボックスの中」を重視

フイによれば、LVMHは常に、買収したブランドのDNAを受け継いできた。だが、ティファニーについてはそうする以上に「やるべきことがある」という。

「売上高からも、名声を得たブランドだという点からも、ティファニーは米国で最も人気のブランドの1つだ。だが、アイコニックな商品がない」

エルメスならバーキンのバッグ、シャネルなら「リトル・ブラック・ドレス」、ルイ・ヴィトンならモノグラムのバッグがそれに当たる。だが、ティファニーの場合、そのアイコンは小さな青い箱、つまりパッケージだ。

「これは、ティファニーというブランドの異質な点だ。40億ドル以上の売上高がありながら、ボックスの色、または映画以外ものによって、ブランドを特徴づけることができない」

「彼らはその箱の中について考え、商品を見つけ出さなくてはならない」

・著名デザイナーの採用は不要

フイはまた、ティファニーには新たなチーフ・アーティスティック・オフィサーを探す必要はないと語る。外部の力が必要だと考えればいくらでも、コラボレーションに最高のパートナーを選べるはずだという。

「ティファニーに必要なのは(人材よりも)、プライス・ポイントや層ごとのコレクションの開発に注力することであり、それらを適切な市場に投入することだ」

編集=木内涼子

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