ビジネス

2021.02.19

トヨタも参加する中国の自動運転エコシステム「アポロ」の全貌

Photo by TPG/Getty Images


スマート信号機の整備


バイドゥは、交通インフラが自動運転車や交通の効率性を促進することを実証するため、これまでに複数のプロジェクトを実施している。同社は、スマート信号機を北京と長沙、保定市に設置している。

スマート信号機にはセンサーやAIが搭載されており、交通量を監視している。V2Xという通信技術を使うと、スマート信号機はアポロを搭載した自動運転車と5Gで通信し、交通の流れを改善することが可能になる。バイドゥが行った初期テストでは、スマート信号機とのV2X通信により渋滞は最大30%緩和され、交通効率は10%改善されたという。

「V2Xは自動運転車のコストを引き下げ、安全性を高められる」とバイドゥのインテリジェント・ドライビング・グループでゼネラルマネージャーを務めるZhenyu Liは話す。同社の創業者でCEOのロビン・リー(李彦宏)は、V2Xを使った交通インフラにより、中国のGDPは最大4.8%向上すると述べている。

100万台が搭載する「DuerOS」


バイドゥは、自動運転技術の開発に加えて、従来型の車両を対象とした車載ソフトウェアでも中国でシェアを拡大しつつある。同社のIoTデバイス向けソフトウェアプラットフォーム「DuerOS」は、車載インフォテインメントプラットフォームの分野で中国でトップシェアを誇る。同社によると、自動車メーカー70社の600モデルがDuerOSを搭載しており、総搭載車両数は100万台に達するという。

DuerOSは、車載インフォテインメントのほか、グーグル・アシスタントやアマゾン・アレクサのような会話型AIアシスタント機能も搭載している。

編集=上田裕資

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