社内でどんな役職に就く人であっても、リーダーシップを発揮して、組織に価値を付加するチャンスはある。以下に、危機のさなかと後に自分の組織をサポートするスキルを伸ばす3つの方法を紹介する。
1. 危機が起きたら率先して協力する
自分の役職が危機対応に欠かせないものでなくても、自ら手を挙げて、自分もどこかで役に立ちたいと表明すること。
柔軟性を持ち、変化に対するオープンな姿勢を示すこと。危機の最中は組織も個人も、変化にオープンである必要がある。つまり、適切な対応をとるには、いつもの手順や役割を変更する必要があるかもしれないということだ。協力を買って出て、必要なところを支援しよう。
2. すべきことを書き出す
危機は突然やって来るもので、素早い対応が重要になる。従って、事前の十分な備えが必要だ。しかし、危機の中身は毎回同じではないため、事前に計画を立てていたとしても、その内容は調整する必要がある。
危機が起きたときに自分がすることを書き出しておくこと。例えば、連絡すべき人のリストを作り、既に連絡済みの人はメモに残す。確認すべき情報のチェックリストを作っておくのもよい。チェックリストを皆が確認すれば、一つのタスクに複数の人が重複して取りかかるミスを避けられる。危機にはリソースを効率的に使い対応すべきだ。
計画に対する変更点を書き留めること。危機のさなかには、計画に従った行動が重要だ。文章にする場合は、全員が内容を理解していることを確認すること。研究論文のような綿密さは必要ないし、その時間もないだろう。全員が理解すべきことのみを書き出すこと。
3. 危機について振り返る
危機管理は、危機を乗り切った時点で終わりではない。次の危機により良い形で対応できるように、自分や同僚が今回どのように対応したかを振り返るべきだ。
対応検証報告書(AAR)の作成に参加し、自分の経験や、改善に向けた提案を盛り込むこと。あなたは自分の立場から、うまくできていた点や、改善できた点、ほかの人が見逃した点に気付いたかもしれない。あなたの意見は貴重だ。反省点の洗い出しに貢献することで、自分自身も組織も次の危機に向けてより良い備えができる。
あなたが正式な危機管理担当者でなくとも、自社の危機対応をサポートするスキルを身に付けておくことはできる。予備知識を身に着け、困難なタスクに取り組む能力、部門間のコミュニケーション能力を磨いて、危機への対応や備えに率先して協力しよう。危機が去った後は、忘れずに改善すべき弱点や分野を洗い出し、次の危機に備えること。