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米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長(Getty images)

米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長は、新型コロナウイルス危機を受けて米国の実質的な失業率は10%近くに達していると述べ、米経済の先行きに厳しい見方を示した。

公式発表では1月の米失業率は6.3%だが、パウエルは実態はもっと悪いとみている。

足元では、バブルに近い様相を呈している一部市場による金融安定リスクへの懸念も高まっているが、パウエルが示した数字は、そうしたなかでも、ゼロ金利政策を当面維持するというFRBの方針にさらに根拠を与えるものにもなった。

パウエルはニューヨーク経済クラブの後援で開催されたオンラインセミナーで、「コロナ下で発表された失業率は労働市場の悪化をあまりに過小に示したものになっている」と指摘。今回のパンデミック(世界的大流行)とそれによる米経済への打撃は、年ベースで第二次世界大戦直後以来、最大となる労働参加率の下落を引き起こしたと語った。

「ウイルスへの恐れや、飲食店やホテル、娯楽施設など、コロナで最も大きな影響を受けた業界で雇用機会が失われたことから、多くの人が労働市場から退出した」

「それと同時に、学校がオンライン授業に切り替えた結果、子どもを一日じゅう世話するために労働市場からの退出を余儀なくされた親も多い。全体で、1月には500万人近くの人がパンデミックによって仕事探しができなかったと答えている」(パウエル)

パウエルはさらに、報告されている労働省の分類ミスが最近の統計に影響を及ぼした可能性にも言及し、「この分類ミスを修正して、昨年2月以降に労働市場を去った人を失業者に算入すると、1月の失業率は10%近くに跳ね上がるだろう」と述べた。

パウエルが雇用情勢に関してこの定義を用い続けるとすれば、FRBが月1200億ドル(約12兆7000億円)の債券購入ペースを緩やかにする条件としている「さらに顕著な進展」が認められるまでには、相当長い時間がかかることになりそうだ。

編集=江戸伸禎

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