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「グッドビジネスは魅力的なアートか?」 ~現代アートとブランドビジネスの相関性


価値判断が難しい現代アート


さて、これは最も判断が難しいのだが、作者は「現代アート」だと主張してはいるものの、資産性が期待できないアート作品があることにも触れておこう。

まず、私がこのコラムでもお伝えしてきた「現代アート」の定義は、まずコンテクストがあること、次にオリジナリティがあることだ。この2つの定義に適っているのが、現代アートの前提である。

しかし、アーティスト自身が、その定義に当てはまらない「自称・現代アーティスト」も存在する。結果的に彼らが制作するものは現代アートであるとは美術界で認識されず、資産性は上がらない。

さらに言えば、現代アートの定義に適ってはいるが、「芽が出ない」ものもある。それをどう判断すればいいかというと、乱暴に言えば、ある程度のサイズ感があり、価格が500万円を超えていれば、将来的にも資産性が期待できる作品である可能性は高い。

誤解を恐れずに言えば、現代アートのギャラリーで販売されている数十万円の作品は、将来の資産性においてはギャンブルでしかないと認識していただきたい。つまり、この価格帯は、自分の好きなものを買って納得すべきエリアなのだ。もちろん、将来、化ける可能性もある。数十万円で購入したものが、2~3年後に10倍ほどの価格になったという経験が私にもある。

アートと暮らすということは、生活が豊かになるひとつの手段である。人には財産欲があるので、気に入ったものの資産価値が上昇すると嬉しいが、別の見方をすると、どのくらいの価値になろうが気に入ってずっと手元において、リセールしないのであれば関係ないということにもなる。

それでも、私は、インテリアアートではなく、やはり「本物のアート」の購入をお薦めしたい。人間の脳は、良い刺激によって「快楽」を生み出す。人としての感性も成長させる絶対的付加価値だ。本物のアートの大きな価値は、その良い刺激による快楽にあると思っている。

連載:「グッドビジネスは魅力的なアートか?」 ~現代アートとブランドビジネスの相関性
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文=高橋邦忠

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