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「グッドビジネスは魅力的なアートか?」 ~現代アートとブランドビジネスの相関性


では、資産性がないと思われる作品をアートかのように売っているのはどこだろうか。最もよく目にするのは、インテリアショップだ。

雰囲気のいい絵画やイラストもあれば、オブジェのような立体物もある。しかし、これらは先の定義に照らしていうなら、「アート」ではない。「雑貨」だ。

デパートでも、インテリア売り場に並んでいるなら、たとえ価格が数十万円しても、資産性があるといえない限り「アート」ではなく「雑貨」である。つまり、インテリアアートはアートではない。

ここから少しややこしくなるのだが、同じアーティストの同じ絵柄の作品でも、あるものは「アート」とされ、あるものは「アートではない」とされるものもある。これを見分けるのは、制作数と制作方法だ。

例えば、アンディ・ウォーホルの「マリリン・モンロー」(1967年)という作品は、キャンバスのシルクスクリーンに本人がオイルで描いたりした部分があると、何億円という価格がついている。また限定数のエディション(紙にシルクスクリーン)で制作したものは、人気の色だと数千万円はする。

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2017年に大英博物館で展示された「マリリン・モンロー」のスクリーンプリント(Getty Images)

一方で、枚数制限なしに印刷されたポスターもある。これは数千円で入手できるが、フリマアプリなどで売られるような場合は別として、アートとしてのリセールはない。つまり、資産性がないため「アートではない」とみなされる。

このように何千枚と刷りながらも、「アート」として数十万円で販売されているものもあるが、これは怪しいので注意してほしい。見分けるには、刷られた枚数が多すぎないかを確認することだ。

もちろん、雑貨に分類されるインテリアアートでも、自分が気に入って購入するならそれでいい。しかし、数万円もするインテリアアートを買うよりも、本物のアートの複製ポスターを選ぶほうがおすすめだ。

ポスターとはいえ、いまやアンリ・マティスもゲルハルト・リヒターも売られている。彼らのポスターを購入するほうが、今後、アートに親しむという視点から見れば、アートの入り口にもなるし、他者からも「アートのことをわかっている人」ということにもなるのでベターかなと思う。

文=高橋邦忠

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