パキスタンで相次ぐ、宗教的少数派女性の誘拐と虐待、強制改宗

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別の14歳の少女マイラ・シャバズ(Myra Shehbaz)も同じ運命に直面し、彼女の家族は裁判所に訴えた。ファイサラーバードの刑事裁判所は当初、マイラに対して、女性用シェルターで社会復帰に向けてリハビリテーションが受けられるよう命じた。ところが、ラホール高等裁判所がのちにその決定を覆し、マイラに対して、誘拐者の元に戻るよう命じた。彼女はその後、逃亡した。

最近では、15歳のサネハ・キンザ・イクバル(Saneha Kinza Iqbal)の事例がある。彼女は誘拐されたあとに改宗させられ、自分より2倍も年齢が上の男性と結婚させられた。サネハの家族は、ファイサラーバード警察の力を借りて娘を取り戻そうとしているが、まだ成功していない。

パキスタンにおけるこの問題は、社会の関心を切実に必要としている。2020年12月に報じられたように、パキスタンのイムラン・カーン首相は、宗教的少数派の少女たちが強制的に改宗させられている事態について捜査を行うよう命じた。とはいえ、2019年に開始したこの捜査は、特定の2つの誘拐事件だけを対象にしているようだ。カーン首相には、さらなる取り組みと行動を求めたい。

カーン首相が目立った行動を起こしていないことを受けて、英国の政治家たちは、この問題について独自調査を行うと発表した。パキスタン政府の取るべき対応を明確にすることがその狙いだ。政治家たちは、英国政府とパキスタン政府の双方に対して措置を提案し、誘拐と強制改宗、強制結婚という野蛮な慣行をやめさせようとしている。宗教的少数派の女性や少女たちの苦境が放置されてはならない。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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