米調査会社ギャラップが発表した最新の調査結果によると、民主・共和両党が「十分な働きをしている」と回答した人は、わずか33%だった。「第三政党が必要」と答えた人は62%で、昨年9月の57%から5ポイント増加した。ギャラップが2003年に同じ調査を開始して以来、最も高い割合となっている。
新党の創設を支持する人は、共和党支持者の63%、無党派層の70%。民主党支持者46%(昨年9月の調査では52%)だった。
共和党支持者のうち、トランプ前大統領に同党のリーダーであり続けてほしいと希望している人は68%。党がさらに保守化することを望む人は40%(相対多数)だった。
また、今後の党の方向性について、民主党支持者は34%が「よりリベラルになる」ことを期待。34%は「穏健化」、31%は「現状維持」を望んでいる(調査は1月21日~2月2日に実施。サンプル数は906)。
共和党には分裂の可能性も?
共和党内に今後の方向性に関する意見の相違があることを明らかにしたのは、トランプ前大統領の弾劾裁判だ。下院議員のうち10人が、弾劾訴追決議案に賛成した。また、2月13日に上院で行われた裁判の評決では、7人の議員がトランプに「有罪」票を投じた。
トランプの弾劾を支持した下院議員の1人、リズ・チェイニー議員(ワイオミング州)は党の同僚たちに対し、前大統領との関係を断つことや、トランプが「今後、党内の指導的立場に就かないことを確実にする」ことを呼び掛けている。
また、トランプに有罪票を投じたベン・サス上院議員(ネブラスカ州)は、「政治は一人の男に対するおかしな崇拝ではない」として、トランプ個人を崇拝するような支持のあり方は否定すべきだと主張している。
ただ、下院での弾劾決議案の採決と上院での弾劾裁判の評決の結果は、同党議員の大半が、依然として前大統領に忠実であることを示す結果とも言える。無罪票を投じた1人、リンジー・グラム上院議員(サウスカロライナ州)は裁判終了後に出演したFoxニュースの番組で、「トランプ運動は続いている」「共和党内で最も強い力を持つのは、トランプ前大統領だ」と語った。
トランプは昨年の大統領選の後、第三政党の結成を検討していたと伝えられている。だが、側近に断念するよう説得されたほか、弾劾裁判で党内から十分な票を得て無罪を勝ち取ることができるとの見通しが立ったことを受け、考えを変えたとされる。
ロイターは2月11日、共和党員120人以上が同月5日、反トランプ政党の結成について協議したと報じたが、反トランプで知られるチェイニー下院議員ともう一人の議員などは、党の分裂に反対している。
最新の調査結果では、1月6日に起きた連邦議会議事堂での暴動をきっかけに、共和党の支持率が低下していることが示された。特に党員の間で、支持離れが目立っている。