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この状況が覆るリスクとなるのは?


馬渕は、今後のリスクになりうる点を挙げた。

まず、中央銀行は景気後退期に、国債や担保証券を買い入れることで資金を供給し、経済活動の活発化を図る「量的金融緩和策」を行うが、雇用統計などの指標に一定の成果が見られた場合に、その緩和策を縮小する「テーパリング」が行われる。FRBでこの「テーパリング」を行うかの議論が今年6月にも開始されるのではないかとされており、懸念材料となり得る。

このほかに、ワクチンの副反応などの悪材料、米中対立などの地政学リスクの再燃、アメリカの財政悪化懸念による金利の急上昇、中国経済の回復鈍化などによる悪影響が懸念される。今後も、アメリカの財政政策や新型コロナワクチンの動向が鍵となりそうだ。

個人投資家はどう動くべきか


糸島は、株式投資について冷静な対処を行うように説く。

「急騰したことで大きく利益が出ている金融資産を少しずつ売却していくような、したたかな対応も必要かと思います。短期的には3万円達成で株価調整するリスクもあります。

本音としては、3万円をつけたからといってむやみに新規購入をするのは手控えたほうが良い。投資は自己責任の上で、冷静に対処してほしい。ちなみに、仮にこの相場がバブルなら、1989年12月27日の大納会の38915円を目指すことも夢ではないでしょう」

河合は「祭りは参加することに意義がある。ただし、祭りに浮かれ過ぎずに早めに帰路につくこと。冷静にピークを見極めて下さい」と呼びかける。

一方で、今後の投資戦略を示したのは馬渕と広木だ。

馬渕は「指数は過熱感があるものの、個別銘柄では業績が伴った株価の立ち上がりを見せている企業を選定すべき。期待先行だけで業績が伴ってない企業は避けることです。株価は跳ねた所ではなく、押し目を待つ。年内に再度、売られる調整局面があると予想されるので、そのタイミングを狙うのも投資戦略のひとつです」と説く。

広木は、長期的な視点の大切さを語った。

「日本は80年代末期のバブルがあまりにもひどくて、その清算に長い時間がかかったため長期低迷をしているイメージだが、実はそんなことはなく、少なくともこの10年を考えてもアメリカ株と同じように上がってきていまに至っています。コロナのような100年に一度の危機が起きても、ちゃんとそれを乗り越えてここまで来ています。なので株式投資は、長期的に続けることが重要です」

2月15日はアメリカの祝日プレジデントデーのため、米国市場は休場。世界的な株高に合わせて、日経平均株価の高水準がいつまで保たれるか、冷静な判断が求められている。

構成=谷本有香 編集=督あかり 文=河村優

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