ロイターが報じたところによると、政権の要職に就いた経験もある120人以上が2月5日、オンライン会議を開催した。出席者には元議員らのほか、ブッシュ政権、レーガン政権、そしてトランプ政権の当局者も含まれていたという。
その多くは、民主主義を弱体化させるようなトランプの企てに共和党が立ち向かわなかったことに対し、不満を持っているとされる。また、新たに結成する党は、トランプが放棄した「原則に基づく保守主義」による政策を推進するべきだと訴えているという。
このオンライン会議を共同で主催した下院共和党会議の元政策立案責任者、エバン・マクマリンはロイターに対し、会議を開いたのは「共和党の大部分の議員たちが、米国の民主主義を過激化させ、脅かしている」ためだと明らかにした。
出席者の多くは、(選挙人投票の結果を認定するために1月6日に行われた上下両院合同会議で)多くの共和党議員がジョー・バイデン勝利の結果の承認を拒否したことに、幻滅しているという。
マクマリンはまた、「共和党は改めて、真実と良識、そして創設時の理想にコミットする必要がある」「何か新しいものが必要であることは明らかだ」と訴えている。
党名は「中道右派党」?
会議の出席者のうちおよそ40%が新党の結成に賛成しており、党名には「インテグリティ(誠実、清廉、高潔、などを意味)」や「中道右派」などが挙げられたという。
また、新しい党は今後の選挙で独自候補を擁立するほか、無所属を含め所属政党を問わず、中道右派の候補を支援することを検討していると伝えられている。そのほかマクマリンによると、共和内に「派閥」を結成することも、選択肢に挙がっているもよう。
この会議の開催について質問されたトランプの広報担当者は、「その負け犬たちはジョー・バイデン(の勝利を認定する)票を投じたときに、共和党を離れている」とコメントしている。
共和党支持者はどうみる?
米ヒル・ハリスXが1月に行った世論調査の結果によると、共和党支持の登録有権者のうち64%が、トランプが新党を結成するならそちらを支持すると回答した。ドナルド・トランプは常に、対立を生む存在となってきた一方、それでもほぼ揺るぎない忠誠心を得ることに成功してきた。
だが、昨年はトランプを非難する共和党議員らが大統領選で対立候補のバイデンを支持すると表明。反人種差別デモに対するトランプの高圧的な対応を批判する声が党内からあがるなどしていた。
また、1月6日にトランプ支持者らが議会議事堂を襲撃したことについては、ミッチ・マコネル上院院内総務(ケンタッキー州)をはじめ一部の共和党員が「暴徒を挑発した」批判。その後、トランプが第三政党の結成を検討しており、その名称は「愛国者党」であると報じられていた。
マクマリンは、「共和党から独立して活動する派閥でも新党でも、何か新しいものが必要だ。現状は維持できない」と述べている。