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米化粧品会社エスティローダー・グループの株価は、2月5日後半の取引で7.5%上昇した。2020年10-12月期の決算発表で、アジアにおけるスキンケア製品売上、ならびに中国のトラベルリテール(機内販売や空港免税店など)チャネルが好調だったことから、再び成長軌道に乗ったことが明らかになったためだ。

ただし米投資会社オッペンハイマーのアナリストは、2021年3月までの見通しについていくらかの疑問点を挙げている。

エスティローダーの社長兼最高経営責任者(CEO)、ファブリツィオ・フリーダは、2月5日に発表された四半期決算発表のなかでこう述べた。「パンデミックによる影響が複雑さを増しているにもかかわらず、スキンケア、フレグランス、アジア太平洋、アジアのトラベルリテール、グローバルなオンライン販売がパワフルな原動力となり、業績を押し上げた」

成長の主な原動力となったのは、グループ傘下ブランドの「エスティローダー」や「ドゥ・ラ・メール」、「クリニーク」などだ。また、2019年に買収した韓国コスメブランド「ドクタージャルト(Dr. Jart+)」は、単独でスキンケア伸び率の約7%を占めている。

営業利益は11億ドルで、2019年同期の2億6100万ドルから急増したと同時に、純利益は8億7300万ドルに達した。前年同期の純利益は5億5700万ドルだった。

「エスティローダー」ブランドの堅調な2桁成長をけん引したのは、中国本土とトラベルリテールだ。特に大きな役割を果たしたのが中国最南端にある「中国のハワイ」と呼ばれる海南島で、2020年には免税販売の中心地となっていた。

さらに同社の説明によると、中国ECサイト「天猫(Tmall)」が11月11日に実施した「独身の日セール」で、エスティローダーはライバルのランコムやロレアルを抑えて美容ブランドの売上トップとなった。ドゥ・ラ・メールも、高級美容ブランドで売上1位になったとされている。

メークアップとフレグランスは不振


こうした成長により、世界的なパンデミックのあいだに必要とされていた勢いが生まれた一方で、同社のポートフォリオはスキンケア部門へと大きく傾いた。それと同時に、アジア太平洋と中国への、行き過ぎとも言える依存傾向も強まっている。

スキンケアの成長率は28%で、フレグランスの6%を上回った。ほかのカテゴリーでは、メークアップとヘアケアが縮小し、それぞれ25%と5%のマイナスとなった。新型コロナウイルスの感染拡大と外出自粛で、大半の市場ではメークをする人が減少し、特にファンデーションと口紅の売上が打撃を受けている。その上、多くの販売店が休業した。

このため、2020年10-12月期のスキンケア売上28億ドルは、エスティローダー売上全体の58%を占める結果となり、2019年同期の48%から増加した。それに対し、メークアップ売上の占める割合は、36%から26%に減少している。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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