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成功を収める最高経営責任者(CEO)が持つ特性はなにか? あなたの考える答えの中に「長年の経験」があるなら、きっとこの記事を読んで驚くだろう。

ハーバード・ビジネス・レビュー誌が最近掲載した記事では、新人のCEOの方が経験豊富なCEOよりも良い成績を出すという興味深い調査結果を紹介している。これはおそらく、一般的な予想に反するものだ。

調査を行ったのは、エグゼクティブ人材あっせん企業スペンサースチュアート。対象となったのはS&P500種株価指数を構成する大企業で過去20年余りの間にCEOを務めた855人だ。その結果は明白で、経験豊富なCEOは経験が浅いCEOと比べて中長期的な業績が振るわなかった。

調査の主な結果は次の通り。

・新米CEOの会社の株主還元額は、経験あるCEOの企業よりも高かった。さらに、新米CEOが率いる会社の株価は経験あるCEOの企業よりも安定していた。

・異なる2社のCEOを連続で務めた人の70%が、初めてCEOを務めた会社の方でより大きな成功を収められたと考えていた。2回目にCEOを務めた会社の業績が株式市場全体の業績よりも低かったのは調査対象者の半分以上に上った。

これについての理由はいくつかある。スペンサースチュアートによると、経験があるCEOは昔のやり方に大きく頼り、前の会社でうまく行ったプロセスや戦略を取っていた。これは当然ながら、コスト削減重視につながった。一方、新米CEOは適応力が高く、大きな成長の推進により重点を置く傾向にあった。

CEOの経験による違いには考え方も影響していることが分かった。新人CEOに共通していた特性の中には、現代の企業を率いる上で必要とされているものもあった。同社北米CEOサクセッションサービスのキャシー・アンタレージアン共同責任者は「私たちは過去10年にわたり、好奇心や適応力、柔軟性、そして、経験則ではなく新鮮な視点で問題に対処する能力の重要性について、役員たちと議論してきた」と述べている。

ただ、経験あるCEOの業績が振るわないことには別の理由がある可能性も指摘された。経験があるCEOはしばしば、既に問題を抱えていたり、今後大きな課題に直面していることから方向転換が必要だったりする企業に起用されていた。こうした状況では、新人CEOには与えられないような困難な課題に対処しなければならない可能性がある。

一方で、経験豊富なCEOがもたらすいくつかのメリットも指摘された。CEO経験が長い人は、幅広い仕事関係のリソースを持ち、ビジネス上のネットワークが強固だった。これにより、会社の目標に対してより迅速に動くことができる。

では、企業によるCEO候補者の特定や審査のプロセスは、どう変えるべきなのだろうか? その答えは会社とその状況によって異なる。どんな企業も、自社の目標を考え、そのニーズに応える上で最良の人物を特定する必要があるのだ。

編集=遠藤宗生

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