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Photo by Helen H. Richardson/MediaNews Group/The Denver Post via Getty Images

世界一の富豪ジェフ・ベゾスは先週、米アマゾン・ドット・コムの最高経営責任者(CEO)からの退任を発表した。25年にもわたり同社で骨身を削ってきたベゾスが、経営面での日々の激務から解放されたいと思うのも仕方がないことだ。

100万人以上を雇用するアマゾンは、米国でウォルマートに次ぎ2番目に大きな雇用主だ。この巨大かつ多国籍なビジネス帝国を管理することは、近代史で最も優秀なCEOの一人とも言えるベゾスにとっても熾烈な仕事だったのだろう。

しかし、アマゾンにとって今後の課題はほかにもある。社内で、労働組合結成の動きが勢いを得ているのだ。アラバマ州ベッセマーにあるアマゾンの倉庫・発送センターでは、同社初の労組結成の是非を問う投票が行われる。

8日には投票用紙が同センターで働く5800人以上の従業員に配布された。従業員は、小売卸売デパート組合(RWDSU)への加入の意思を問われる。

アマゾンの発送センターではこれまで、従業員からの苦情が相次いでいた。その理由は、体を壊すほどの過酷な労働や、従業員の行動を逐一見張る自動追跡システムやカメラなどの監視技術の導入にある。従業員の間では、ノルマをこなせなければ解雇されるという恐怖心が広がっている。

アマゾンの広報担当者レイチェル・ライティーは労組結成の動きについて、「労働組合が従業員のために求めている業界最高水準の給与、入社初日から与えられる広範囲の福利厚生、安全・現代的でインクルーシブ(包摂的)な労働環境はどれも、アマゾンが既に提供しているものだ」と主張した。

アマゾンは投票を遅らせようとしたが、全米労働関係委員会(NLRB)に阻止された。投票は郵送で行われる予定だったことから、同社は延期の理由として、投票は直接行うべきだと主張した。皮肉なことに、ベゾスが所有する米紙ワシントン・ポストは昨年の米大統領選で、投票は新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるために投票所ではなく郵送で行うべきだと主張していた。

バーニー・サンダース上院議員は6日のツイッター投稿で、今回の投票を支持し、「アラバマ州のアマゾン従業員が投票で労組結成を決めた場合、それが持つ力はどれほど強調しても誇張にはならない」と指摘。「従業員らは反労組派が強い州で、強力な反労組勢力を相手にしている。しかし、勝利すれば米国の全ての労働者に資するだろう。私は誇りを持って、従業員らを支持する」と書き込んだ。

編集=遠藤宗生

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