ビジネス

2021.02.15

「眼鏡が曇りにくい」「呼吸がしやすい」「しゃべりやすい」マスク、スピード開発の裏側


海外生産への挑戦


社長から「すべての製品開発業務をストップしてマスクに専念してほしい」という指示がありました。2020年5月は緊急事態宣言の影響で会社全体がテレワークをしている中、生産をお願いしている協力工場に自宅から直接通いました。

現場の担当者と入念に打ち合わせを行い、本体に使用されるフリーカット素材の組み合わせや、縫製に関するアドバイスを頂きました。

全部で10種類以上の素材を集め、どういう形がベストか検討して、なんとか生産をスタートする所まで辿り着けました。

しかし、実際に工場が稼働してみると繊細な素材を使用している為、縫製が難しく想定していたよりも時間がかかり、すぐに多くを生産することができませんでした。このままでは必要な方に必要な時にお届けできない状態になってしまうという不安が出てきました。

そこで国内生産と海外での製造立上げを同時に進めました。ダイヤ工業のオリジナルサポーターは全て日本国内で生産している為、海外生産はかなりの挑戦でした。試作の送付だけで何日もかかってしまいますし、コロナ禍で直接現地へ行く事が出来ない為、縫製の細かな修正箇所が伝わらない事もあり大変でした。

海外での新製品の立ち上げには通常、最低2カ月はかかるということでしたが、工場サイドのスピーディな対応のおかげでなんとか約1ヶ月での海外生産立上げを実現できました。

販路模索の中の光




サポーターの販路は全国の整骨院、接骨院を中心としていましたが、今回発売したムレンマスクはスポーツを楽しむ一般の方にも知ってほしいと考えていました。

自社製品のコンプレッションウェアを今まで販売してくださっていた岡山市のエイコースポーツ様が開発段階からムレンマスクを一ユーザーとして評価してくださり、発売と同時にお取り扱い頂けた事で販路拡大につながりました。

マスクが架け橋に


ダイヤ工業のサポーターは運動器の悩みがある特定の方向けに作成していましたが、万人向けのマスクを作ることでダイヤ工業をご存じなかった多くの方々にダイヤ工業を知って頂けました。また、今までのサポーター商品では影響が少なかったSNSによる反響も体感することができました。マスクの販売によって、今まで取引していなかった他業界からのお問い合わせも増え、想定していた以上に販路が広がっていきました。マスクは架け橋になる商品だと思いました。

嬉しかった事はご案内していなかった知り合いの方や家族も使用してくれていたことと、本社1階のアトリエから、ガラス越しに自社のサポーターショップが見えるのですが、ダイヤ工業の仲間がお昼休みなどにムレンマスクを購入してくれている姿を見かけることですね。一番着用率が高い自社商品ができました。とても気に入って着用してくれています。

また、今回のマスク開発をきっかけに顧客のニーズに応えるタイミングを逃しかねない事は極力削減し、会社全体で開発スピードの大切さについて考え直すこととなり、開発フローを見直す事ができました。

未来への展望


まだムレンマスクを提供しているエリアが限られている為、日本全国、世界中で蒸れにくいマスクを必要とされている方にお届けしていきたいと考えています。一年中気温が高い国でも「murenMask(ムレンマスク)」がお役に立てると期待しています。

今後はファッション性を高め、更なる快適性を追求していきたいと思っています。美しく小顔に見えたり、肩の負担を減らすなどマスク着用が付加価値を高める行動となる商品開発を進め、社会に貢献していきたいです。


開発者:川上真幸 ダイヤ工業株式会社 Vice Chief Engineer 
1999年同社入社 医療短期大学で医用デザインのプロダクトデザインを専攻

PR TIMES STORYより

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