26歳でキャディを設立した加藤勇志郎。志すのは、180兆円規模といわれる日本の屋台骨、製造業を大変革する会社になることだ。
キャディは製造業向け受発注プラットフォーム「CADDi」を展開し、板金・機械加工や加工部品の一括受注サービスを手がける。発注者が部品の設計データをアップロードすると、システムが見積もりを算出し、最適な加工会社を選定して発注。一括で調達できコストも2割ほど削減。受注者の手間も省ける。
製造業は設計、調達、製造、販売の4つの流れがあり、コストの7割を調達が占めるなかで、非効率的な調達のコストや手間を省くことが、中小企業の経営改革には不可欠だと加藤は指摘する。製造業向け受発注プラットフォームのなかで、キャディの調達担当者に着目したサービスが支持されている。
2020年9月には「装置一式の組み立て対応」を開始。敷地面積約595平方メートルの物流センターを千葉県船橋市に設立し、装置・機械一式受注などの大型案件に迅速に対応できる体制を整えた。
「案件の単価が上がり、大きな経営インパクトを出せるパートナーになりつつある。業界を一気に変えるのは難しいが、一つ一つの積み重ねが重要。同じ方向を目指す人や企業に出会えるとワクワクします」。
かとう・ゆうしろう◎1991年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒業、マッキンゼー・アンド・カンパニーを経て2017年キャディ創業。「30 Under 30 Asia 2020」選出。