ビジネス

2021.02.17 13:40

調達から製造業の課題を解決。装置一式組み立て対応で飛躍

キャディ 加藤勇志郎

『Forbes JAPAN』が毎年、優れたスタートアップ200社を掲載している「日本のスタートアップ大図鑑」。スタートアップ新世代の躍動が話題となった2020年。なかでも、注目する企業6社を紹介する。金属加工の受発注を仲介するキャディがその1社だ。


26歳でキャディを設立した加藤勇志郎。志すのは、180兆円規模といわれる日本の屋台骨、製造業を大変革する会社になることだ。

キャディは製造業向け受発注プラットフォーム「CADDi」を展開し、板金・機械加工や加工部品の一括受注サービスを手がける。発注者が部品の設計データをアップロードすると、システムが見積もりを算出し、最適な加工会社を選定して発注。一括で調達できコストも2割ほど削減。受注者の手間も省ける。

製造業は設計、調達、製造、販売の4つの流れがあり、コストの7割を調達が占めるなかで、非効率的な調達のコストや手間を省くことが、中小企業の経営改革には不可欠だと加藤は指摘する。製造業向け受発注プラットフォームのなかで、キャディの調達担当者に着目したサービスが支持されている。

2020年9月には「装置一式の組み立て対応」を開始。敷地面積約595平方メートルの物流センターを千葉県船橋市に設立し、装置・機械一式受注などの大型案件に迅速に対応できる体制を整えた。

「案件の単価が上がり、大きな経営インパクトを出せるパートナーになりつつある。業界を一気に変えるのは難しいが、一つ一つの積み重ねが重要。同じ方向を目指す人や企業に出会えるとワクワクします」。

かとう・ゆうしろう◎1991年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒業、マッキンゼー・アンド・カンパニーを経て2017年キャディ創業。「30 Under 30 Asia 2020」選出。

text by Michiko Nariai, photograph by Shunichi Oda, Retouch by Shinji Uezumi

この記事は 「Forbes JAPAN No.077 2021年1月号(2020/11/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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