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シルヴィア・フェンディ

2025年に創業100周年を迎えようとしているフェンディ。Nothing is impossible(不可能はない)をモットーに掲げて進化し続けるブランドは、ファッションの新しいFun(楽しさ)を教えてくれるようだ。

そしてそのFunをLuxury(贅沢)な体験に昇華させるのが、エキサイティングなクリエイティビティを確かな品質で裏打ちする、イタリア・ローマに受け継がれてきたCraftsmanship(職人技)だ。

創業者の孫にして3代目当主のシルヴィア・フェンディはそうしたブランドの強みを受け継ぎながら、新たにブランドバリューを打ち出した。FRIENDSHIP(友情)、CRAFTSMANSHIP(クラフツマンシップ)、FAMILY(家族)、DARING CREATIVITY(唯一無二な創造力)の4要素の紐解きに重ねながら、彼女が率いるイノベーションへの道について聞いた。


フェンディ家2代目を率いた5人姉妹と故カール・ラガーフェルド(中央)。

──昨年、カール・ラガーフェルドというファッション界の巨星を失ったことは、ショッキングな出来事でした。

1965年にフェンディのデザイナーに就任した当時、彼はまだ無名の若者でした。でも鉛筆を手に、白紙の上にあっという間に見たことのないようなデザインを描いていく様は、まるで魔法使いかと思ったわ。彼は気難し屋と思われていたけれど、優しかった。一緒に過ごした仕事以外の時間も、美しい思い出になっています。

──世界はコロナ禍に見舞われていますが、何をし、何を考えましたか?

3カ月間を自分のためだけに使って、心の要求や感情に耳を傾けました。母や友人たちが無事だとわかると、仕事にも向き合いました。そして2021年春夏コレクションが生まれたの。いまは物事を違った観点から見て、ポジティブな進化を遂げる絶好の機会だと思っています。

私たちはこれまでもさまざまな変化を受け入れ、チャンスとしてきました。今後は、例えばファッションのペースをスローダウンさせることもあると思う。きっと健全な状況を生み出すことにつながると思うわ。


ファーの職人技とグラフィティアートの融合を試みた「FENDI CraFF」展の様子

──フェンディ家3代目として、自身にどんな強みがあると考えますか?

人は生まれた環境から学びます。娘のデルフィナ・デレトレズはジュエリーデザイナーとして抜群のセンスをもっていて、どんどん成長しています。私もそうでしたが、クリエイティビティが遺伝子の中に組み込まれているのでしょう。

text by Shigekazu Ohno (lefthands)

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