ビジネス

2021.02.12

新型コロナウイルスを遠紫外線で不活化、産学協同の取り組み

John Tlumacki/The Boston Globe via Getty Images


コロンビア大学の研究チームが2020年5月に発表した研究では、殺菌用の紫外線により、新型コロナウイルス感染症の原因であるSARS-CoV-2ウイルスを不活化できることが示されている。ブレナーの研究以前にも、殺菌用紫外線が新型コロナウイルス対策になる可能性は高いと見られていたが、それを裏づける研究はなかった。

とはいえ、そうした対策を実際に導入するための費用は安くない。たとえば、「レストラン・ビジネス」の報道によれば、レストランチェーンのシルバー・ダイナー(Silver Diner)は、紫外線システムを導入するために1店舗あたりおよそ2万5000ドル、事業全体では50万ドルを費やしたという。

その点では、コロンビア大学との共同試験が成功すれば、ヤムの経営規模の巨大さが効果を発揮するかもしれない。

研究チームが特に注目しているのが、遠紫外線C波技術だ。遠紫外線C波は、消毒に用いる波長がより短く、より安全という点で紫外線C波とは若干異なっている。これまで、遠紫外線C波の試験は、紫外線C波に比べると限定的なものだった。しかしコロナ禍をきっかけに、遠紫外線C波は総力を挙げるべきアプローチに変わった。ヤムとコロンビア大学の協力は、この技術の実用化をいっそう加速させる可能性がある。

ヤム・ブランズのパークは、「ほかの企業が紫外線に注目していることは承知している。当社が関わる技術がほかと異なるのは、人間の目や皮膚や組織を傷つけないという点にある。この技術により、空気中のウイルスの99.9%が不活化する。経済的な面がうまくいくなら、この技術を積極的に拡張したいと考えている」と話している。

「ブレナー博士率いるチームとの研究により、この有望な技術を核とする対策の効果と、将来的にレストラン環境で運用する方法について、理解を深められると期待している」

翻訳=梅田智世/ガリレオ

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