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2021.02.12 07:00

新型コロナウイルスを遠紫外線で不活化、産学協同の取り組み

John Tlumacki/The Boston Globe via Getty Images

John Tlumacki/The Boston Globe via Getty Images

ピザハットやケンタッキー・フライド・チキンなどを運営する米ファストフード大手のヤム・ブランズ傘下で急成長中の部門「ヤム・イノベーション」がコロンビア大学とタッグを組み、ウイルスを不活化させる遠紫外線C波の効果と安全性を調べる有望な試験に乗り出している。

ヤムが手を結んだのは、コロンビア大学医科大学院の放射線研究センター長を務めるデイビッド・ブレナー(David Brenner)博士が率いる研究チームだ。この共同プロジェクトには、実際のレストラン環境における遠紫外線C波照射技術に関する現在進行中の研究と試験が含まれている。

ヤム・ブランズのイノベーション部門担当バイスプレジデントを務めるジョー・パーク(Joe Park)は、以下のように話している。「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が発生して以来、当社は店舗の安全性を高める方法を模索している。コロンビア大学による前例のない研究に参加したのは、それが理由だ。この研究では、遠紫外線C波技術を研究室の外へ持ち出し、店舗で、ただし制御された設定で実験することになる」

この試験は、営業時間外にタコベルのとある店舗で実施され、長ければ1年を要する可能性がある。

それだけ待つ価値は、このケースではおおいにあるだろう。調査会社ゾグビー・アナリティクスの調査では、消費者の39%が、室内空気の質に関する懸念を理由に飲食を避けていることが明らかになっている。

さらに、ヤム・ブランズにとっては、来店客の安全はパズルのピースのひとつにすぎない。同社のグローバル・ネットワーク全体では、150万人にのぼるエッセンシャルワーカーがレストランで働いている。

「(今回の試験は)お客様の安全と同様、チームメンバーの安全にとっても重要な意味を持つ。安全な環境を構築できるとしたらすばらしいことだ」とヤムのギャヴィン・フェルダー(Gavin Felder)最高戦略責任者は話している。

紫外線照射装置によるウイルスの不活化については、バージニア州のアレクサンドリア・レストラン・パートナーズ(Alexandria Restaurant Partners)や、ニューヨークのマグノリアベーカリー(Magnolia Bakery)、サンフランシスコのバンブーアジア(BambooAsia)など、数多くのレストランが注目している。

チポトレの元食品安全責任者で、ホワイトハウスのアドバイザーも務めたジェームズ・マーズデン(James Marsden)は2020年3月にフォーブスに対し、紫外線の効果は十分に立証されており、「きわめて効果の高い抗微生物効果があり、接触したウイルスを不活化することができる」と話した。
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翻訳=梅田智世/ガリレオ

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