トランプホテル、Qアノンの「特別な日」に料金大幅値上げ

首都ワシントンのトランプ・インターナショナル・ホテル(Photo by Michael M. Santiago/Getty Images)


これを便乗値上げと考えるにせよ、単なる日和見的なマーケティングととらえるにせよ、宿泊料の大幅値上げはいくつかの意味で理にかなっている。同ホテルは、新型コロナウイルスの流行により経営が悪化する中で、Qアノン信者への訴求力を活用して売り上げを増やそうとしているのかもしれない。トランプ・インターナショナルの売上高は昨年、62%減少した。

トランプはこれまで頻繁に、利益相反取引のために政治的な影響力を利用したと批判されてきた。ワシントンのトランプ・インターナショナル・ホテルはホワイトハウスからわずか数ブロックの場所にあり、共和党のイベント会場としてよく利用されてきた。

トランプ・インターナショナルがトランプ支持者らにとって重要な日の前後に価格を引き上げたのは、これが初めてではない。先月、トランプ支持者による議会襲撃事件が起きた前日の5日と当日の6日にも、1泊の最安宿泊料金はそれぞれ7500ドル(約78万円)と8000ドル(約84万円)に達した。これは、その2週間後のバイデン大統領就任式の前後に設定していた1泊2200ドル(約23万円)という料金の3倍以上だ。

こうした“特別な日”は、宿泊料金をつり上げられるのみならず、付随的な収益の大幅アップも見込める。トランプ支持者らが議会を襲撃した翌日、トランプ・インターナショナル・ホテルのマネジングディレクターは「@TrumpDCのルームサービスチームが今週、最高記録を達成したことをとても誇りに思う」とツイートしていた。

編集=遠藤宗生

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