ニューヨークに本拠を置くClearview AIは、米国の数千の法執行機関で使用されており、王立カナダ騎馬警察(RCMP)や他の数十のカナダの組織でも昨年夏まで利用されていた。同社のテクノロジーは、未知の人物の写真を30億枚以上の画像で構成されるデータベースと照合可能にするもので、そこにはカナダ人の大人だけでなく、子供の画像も含まれている。
Clearview AIは、フェイスブックやリンクトイン、ツイッターなどのサイトからスクレイプした画像を用いており、これらの大手SNSは同社にスクレイプをやめるよう申し入れを行った。
ブリティッシュコロンビア州の情報プライバシーコミッショナーのマイケル・マケボイは「企業が私たちの生体情報の巨大なデータベースを作成し、その侵略的な性質を認識せずに利益のために提供する行為は受け入れがたい」と述べている。
Clearview AIは昨年、カナダでの顔認識サービスの提供を停止したが、画像の収集については、カナダの法律に拘束されないと主張し、一般公開されている画像の収集に関しては同意が必要ないと述べている。
「Clearview AIのサーチエンジンは、法執行機関と選ばれたセキュリティの専門家のみが利用可能であり、サーチ結果には公開情報のみが含まれている」と同社は声明で述べている。
Clearview AIのCEOのホーン・トンザットはニューヨーク・タイムズ(NYT)の取材に、カナダでのオペレーションは昨年7月に停止したが、カナダ人の画像を削除することは考えていないと述べた。ただし、個人からの申し出があれば削除対応を行うと述べている。