ビジネス

2021.03.02

401社の言葉を特色で刷り上げる── 創業以来、最も「クレイジー」な仕事に挑んだ大洋印刷のDNA

インクの濃度を測るために使用したカラーチャート

大洋印刷が、401企業の「PR」というものへの思いを言葉にした書籍「PR、415の使命」の印刷を手掛けた。

今回は、401の企業のコーポレートカラーを4Cカラーではなく、全てを特色で印刷。2カ月という限られた期間で全ての企業の色を調合し、何度も確認しながら手作業で完成させた。

なぜ、これまでの “印刷” の常識から一歩抜け出したような本に挑戦したのか━━。担当者に聞いた。

創業90年、かつてない一冊を刷り上げる


大洋印刷の営業四部一課の加山俊介と申します。この会社には入社して16年目でして、入った当初は映画関係の仕事を担当、その後はデザインやアパレル、広告代理店、今では大手外資系メーカーの化粧品関係をメインに幅広いお客さまとやりとりしております。


大洋印刷 営業四部一課 加山俊介

本題に入る前に、まずは大洋印刷の紹介を。当社は1930年に創業した商業印刷を中心とする印刷会社です。社是は「誠心誠意」「チャレンジ」「技術革新」。今はインターネットを使えばワンクリックで印刷物ができてしまう世の中ではありますが、我々は会社が始まって以来約90年、お客さまと向き合い続けながら、常にチャレンジを積み重ねてきました。無闇に「どんどん刷れ!」というのではなく、やはりお客さまの要望にお応えし、ちゃんとものづくりしてこそ、大洋印刷であると思っています。

そんな当社に、今回のとんでもないチャレンジのお話が舞い込んできたのは、昨年の初秋ごろのことでした。

そもそもこの本は昨年8月、PR TIMES社が日本経済新聞の朝刊に「たとえ読まれなくても、ぜんぶ書く」「PR、14の使命」というコピーを掲げて掲出した企業広告がきっかけとなって生まれたものです。広告の掲出と同時に、PR TIMES社では「あなたが考える、PRの使命」を募集し、1週間の応募期間に集まった401の“使命”に「PR、14の使命」を合わせた、「PR、415の使命」を一冊にまとめるという企画でした。


PR、415の使命

今回PR TIMES社が掲出した日経の広告のクリエイティブディレクターを務められていた武藤事務所株式会社の武藤雄一さんは、当社とは20〜30年、私自身も10年近くお付き合いさせていただいているのですが、その武藤さんからある日私に電話がかかってきたのです。

「400ページくらいで、1ページに1企業を扱う本を作りたい。それを特色で、コーポレートカラーで刷りたいんだけど、どう?」。
次ページ > 「想像もつかなかった「クレイジーなプロジェクト」

PR TIMES STORYより

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