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2021.02.09

ライブ会場の90%が閉鎖の危機にある米音楽業界を救う取り組み

Getty Images

パンデミックの影響でライブ音楽会場の閉鎖が相次ぎ、音楽業界は悲惨な状況に直面している。企業が所有する大規模施設の大半は政府の支援金で生き残る見通しだが、全てが正常に戻る頃までに、90%の小規模な会場が閉鎖されるとの予測もある。

ライブ業界の大半は、政府の援助を受けられないインディペンデントな業者によって、運営されているという事実は見過ごされがちだ。

ツアーを裏方で支えているのは、サウンドや照明のクルー、そしてトラックの運転手やツアーのマネージャー、ケータリング業者などだ。舞台裏の仕事を暮らしの糧としてきた彼らは今、収入の道を絶たれている。

多くのアーティストはクルーを家族のように思い、彼らを助けるためにできる限りのことをしてきたが、有名アーティストでさえ、この状況に苦しんでいる。その結果、多くのクルーは生き延びるために貯金を使い果たし、トンネルの先にあるはずの光すら、見いだせないでいる。

このような状況の中で、Sandy Espinozaが設立した非営利組織「ローディーケア(Roadiecare)」は、音楽業界の人々を支援するための活動を開始した。彼らはRoadiecare.comのウェブサイトを通じて、クラウドファンディングで募金を募っている。

ライブツアーの運営は簡単なビジネスではない。古くからこの仕事を手がけてきた熟練した人々は、若手の育成に務めてきたが、パンデミックによって暮らしを脅かされ、将来への蓄えを切り崩している。

ワクチンが普及したとしても、この業界が以前の状態まで回復するのは、まだかなり先のことになりそうだ。ビジネスがある程度まで回復したとしても、ライブ業界の風景はこれまでとは違ったものになるだろう。小さなライブ会場の大半は、保険料の値上げやキャパシティの制限で、甚大なダメージを被っている。

成功を収めたアーティストの多くは、最初は小さな会場でのライブで腕を磨いてきたが、そのような場所が無くなれば、次世代の才能が育たないことになる。裏方のスタッフの育成においても、同じことが言えるだろう。

しかし、音楽ファンたちは自らの行動で、未来を変えることが出来る。音楽を愛する人たちはRoadiecare.comのサイトやクラウドファンディングのGo Fund Meを訪れて、彼らを支援する寄付を行って欲しい。それは音楽業界を未来に導くための価値ある投資となるはずだ。

編集=上田裕資

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