ライブ業界の大半は、政府の援助を受けられないインディペンデントな業者によって、運営されているという事実は見過ごされがちだ。
ツアーを裏方で支えているのは、サウンドや照明のクルー、そしてトラックの運転手やツアーのマネージャー、ケータリング業者などだ。舞台裏の仕事を暮らしの糧としてきた彼らは今、収入の道を絶たれている。
多くのアーティストはクルーを家族のように思い、彼らを助けるためにできる限りのことをしてきたが、有名アーティストでさえ、この状況に苦しんでいる。その結果、多くのクルーは生き延びるために貯金を使い果たし、トンネルの先にあるはずの光すら、見いだせないでいる。
このような状況の中で、Sandy Espinozaが設立した非営利組織「ローディーケア(Roadiecare)」は、音楽業界の人々を支援するための活動を開始した。彼らはRoadiecare.comのウェブサイトを通じて、クラウドファンディングで募金を募っている。
ライブツアーの運営は簡単なビジネスではない。古くからこの仕事を手がけてきた熟練した人々は、若手の育成に務めてきたが、パンデミックによって暮らしを脅かされ、将来への蓄えを切り崩している。
ワクチンが普及したとしても、この業界が以前の状態まで回復するのは、まだかなり先のことになりそうだ。ビジネスがある程度まで回復したとしても、ライブ業界の風景はこれまでとは違ったものになるだろう。小さなライブ会場の大半は、保険料の値上げやキャパシティの制限で、甚大なダメージを被っている。
成功を収めたアーティストの多くは、最初は小さな会場でのライブで腕を磨いてきたが、そのような場所が無くなれば、次世代の才能が育たないことになる。裏方のスタッフの育成においても、同じことが言えるだろう。
しかし、音楽ファンたちは自らの行動で、未来を変えることが出来る。音楽を愛する人たちはRoadiecare.comのサイトやクラウドファンディングのGo Fund Meを訪れて、彼らを支援する寄付を行って欲しい。それは音楽業界を未来に導くための価値ある投資となるはずだ。