再配分
最初のステップは再配分だ。あなたはおそらく、ポートフォリオの配分になんらかの目標を設定していることだろう。そして米国株が、ほかの投資手段よりもはるかに好調だった結果として、その割合が計画よりもずっと高くなっているのではないだろうか。
この場合、米国株の割合を目標値に戻すことが、リスク管理につながる可能性がある。たとえば最近のある研究では、長期的に見たとしても株で損をしうることが示唆されているが、実際にはあまり一般的ではない。バランスを再調整し、投資の多様化を進めることができれば、こうしたシナリオにおけるポートフォリオ・リスクの抑制につながるだろう。
多様化
セクター戦略とは、スタイル別、国別、資産クラス別に投資を多様化させることだ。全資産を米国の成長株につぎ込んでいたら、望まないリスクにさらされるだろう。
歴史から学ぶなら、米国の成長株が高値であることを示すデータは、同時に外国株やバリュー株はより魅力的に評価される可能性があることを意味する。これらの株式は必ずしも割安とはいえないが、高値すぎる割合は相対的に低い。これらの資産へのローテーションをおこなうことで、リスクの分散につながるだろう。
機会費用
当然ながら、問題はタイミングが難しいことだ。市場が割高になっていることを示すシグナルはいくつもあるが、調整のタイミングは読みにくく、幅広い株式市場から手を引くことで機会費用が高くつくかもしれない。そのため、現金投資に移行するなどの極端な転換は、もしも市場が上昇を続けた場合、拙速なものになるかもしれない。
それでも、他のバリュエーションが米国市場の成長株ほど高値をつけられていないように見える時には、ポートフォリオを見直すことは理にかなっているかもしれない。
今の配分が、当初の計画通りであるかを確認しよう。国別、資産クラス別、投資スタイル別に分散投資をおこなうことも検討しよう。これは、市場がどんな状況であっても通用する無難なアドバイスと言われがちだが、現在の状況ではとくに有用かもしれない。