無謀とも思える大きな目標を掲げるのは、渡辺創太、25歳。彼が代表を務めるステイクテクノロジーズは、2019年に設立されたばかりだが、日本発のパブリックブロックチェーンであるPlasm Networkの開発をしている。
冒頭の彼の言葉は、行動によって裏付けられてきた。今回の発表もその1つで、次のようなものだ。
2月9日、渡辺が率いるステイクテクノロジーズは、世界最大の暗号資産取引所であるバイナンスを含む5社から、総額約2億5000万円の資金調達を実施したことを発表したのだ。
バイナンスは、世界最速で成長している会社とも言われており、創業者のジャオ・チャンポン(趙長鵬、Changpeng Zhao)は、2018年2月末に発行されたアメリカ版「Forbes」の表紙を飾っている。
Forbesアメリカ版2018年2月号
また、バイナンスは2020年に初めて暗号資産時価総額第4位でいま急速に成長しているポルカドットをサポートするためのファンドを組成。その第1号の出資先として選ばれたのがステイクテクノロジーズだった。
バイナンスの投資責任者は「私たちはPlasm Networkのローンチからこれまでの成長を見て非常に感心をしています」とステイクテクノロジーズが発表したリリースにコメントを寄せている。
これからますます注目されていくブロックチェーン業界。そのトッププレイヤーたちの期待を一心に背負う「ルーキー」でもある渡辺。コロナ禍の前から「内向き志向」と言われてきた日本の若い世代から、どのようにして渡辺のような起業家が誕生したのか、その人物像に迫った。
渡辺率いるステイクテクノロジーズの目指す世界
ビットコインなどの資産取引の新たなプラットフォームとしてのイメージが強いブロックチェーン。渡辺は、これをウェブの次なる「革命の道具」として捉えている。