働くことが楽しくなる? イスラエルの革新的オフィスの工夫

ビジネスランチにも理想的な環境(イメージ: Microsoft)


「100平方メートル以上のエリアでスペースを自由にアレンジできるフレキシブルさが特徴です」と、イスラエルとセルビアのマイクロソフト・リアル・エステート&ファシリティーズ社のシニア・ポートフォリオ・マネージャーを務める、オレン・イェルシャルミ・ローゼンバウム氏は語ります。「デスクを対面にしたり、背中合わせに配置したり、十分な距離を取ったりと、ニーズに合わせて思いのままにレイアウトできます。これならソーシャルディスタンスも確保しやすいですね」。

オフィスで十分なスペースを簡単に作れることの重要性は、新型コロナウイルスへの感染を防ぐオフィス設計として強調されています。不動産サービスを提供する多国籍企業のクッシュマン・アンド・ウェイクフィールド社が提案する、「6フィート・オフィス」などはその一例です。



ヘルツリーヤのオフィスでは、設置と撤去が容易な吸音パーティションやシェルフシステムを導入し、チームの合併や分割に合わせてレイアウトを変更できるようにしました。デスクにはキャスターが付いているほか、ケーブルも非常に長いものを使用しているので、誰でも楽にデスクを移動させることが可能です。

また、マイクロソフトが製品発表の際に好んで利用してきた大講堂は設置されておらず、代わりに、必要に応じてレイアウトの変更や連結・分割が可能な多目的ルームが導入されました。

イスラエル
新オフィスは何カ月も雨がほとんど降らない地域に建設されました。(イメージ: Microsoft)

2. 長期的な持続可能性


マイクロソフトによると、環境に与える長期的な負荷を低減することも新オフィス設計の優先課題のひとつでした。その結果、イスラエル国内有数の持続可能性を誇るビルが誕生しました。

ビルには大気中から水を生成する装置が設置されており、年間約237000リットルの淡水が生成されます。ここは、1年のうち7カ月は降水量がほとんどゼロという地域で、熱波などの極端な気象現象が頻繁に発生するため、この装置は非常に大きな役割を果たすことになります。また、空気ろ過システムは、エレベーターなどのビル内の空気を浄化するだけでなく、凝縮した水を回収。その水は、ビルの冷却や供給水に再利用されます。これにより、年間300万リットル以上の水を節約できると見込まれています。

発電と省エネにも特別な配慮がなされています。800平方メートルの太陽電池モジュールが食堂と外部照明に電力を供給し、二重壁と自動ブラインドが温度の上昇を抑制します。

建築
新オフィス内に設けられたスペースは、安全な日常が戻れば、出会いと交流を促す場となります。(イメージ: Microsoft)
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文=Harry Kretchmer, Senior Writer, Formative Content

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