小さな葉巻「シガリロ」がいま人気の理由

コロナ禍で新しい生活様式が求められているなか、私たちのライフスタイルも確実に変容している。たとえば……犬や猫などペットを飼い始める人が増えた(同時期に飼い始めた人が多いため、動物病院は予防接種や避妊手術を同じタイミングで受ける犬や猫たちで大混雑している)。

また、飲食店で飲酒する機会こそ減っているが、「宅飲み」することで逆に飲酒量は増えた、などなど。つまりは、限定された環境にあっても生活をできるだけ楽しもうとする我々のたくましさといったら、涙ぐましいばかりだ。

そしてもうひとつ、少数ながら確実に増加傾向にあるのが「シガー人口」だという。自宅にいる時間が増えた喫煙者が、いままで興味があったけれどチャレンジできていなかったシガーに入門する……のは想像に難くない。しかし、その人気はコロナ由来によるものだけではないようだ。

その背景には、2020年4月から全面施行された健康増進法による受動喫煙防止対策があった。多くの施設において屋内が禁煙になり、喫煙室でしか喫うことができなくなった現在、スモーカーにとっては「この1本」がより貴重な機会となっている。

つまりは、せっかくの「1本」を楽しむなら、より濃厚に、上質なスモーキング時間を楽しみたい。そんな心境の変化により、シガー入門者が増えているのだという。なかでも、太く長いプレミアムシガーではなく、コンパクトなシガリロに人気が集まっている。


キューバ産タバコ葉を100%使用した「モンテクリスト ショート」10本¥2,300(税別)

なぜか。それは我々のライフスタイルに起因するようだ。いわゆるプレミアムシガー(ジェームズ・ボンドやウィンストン・チャーチルが喫っていたものをイメージいただきたい)は太く、長く、1本を喫うのにおよそ45分を要する。

ゆうゆうとシガーをくゆらし、傍らに読みかけの本やウイスキーのグラスが置かれている様はまさにラグジュアリーの象徴ともいえる光景だ。しかし、我々の日常で日々45分の時間を喫煙に割けるのかと問われたら……ためらいなくYESと言える人はそう多くはないだろう。

だからシガリロというわけだ。たとえば長さ7~8センチのショートタイプなら喫い終わるまで10~15分。

プレミアムシガーのようにシガーカッターで吸い口をカットする必要はなく、ヒュミドール(湿度が管理できるシガー・煙草の管理ボックス)など専用の保存環境も不要。紙巻たばこと同様サイズの箱入りだから持ち運びも簡単、と気軽に「この1本」を楽しむための条件がそろっている。

気になる味わいはどうだろうか。シガリロのなかでも世界最高峰のキューバ産タバコ葉を100%使用した「モンテクリスト ショート」を喫ってみた。

着火し、やさしく吸い込んでみる。肺に吸い込まないよう、口中でふかしてから、鼻から煙をンフーッと……すぐに気づくのはほんのり濡れた土、そしてウッディな香り。まるで緑濃い夏の森の中に立っているような気分だ。


燃え殻が少し上を向くように持つのが正しい喫い方

追って、カカオのような香ばしさと少々の甘味、スパイシーなアロマが現れ、味わいの変化も楽しめる。燃焼剤が入っていないので、ゆったりと燃えるため、コーヒーとともに楽しんでおよそ15分のスモーキングだった。

気づけば携帯も覗かず、ボーッと空を見つめたひととき……こんな15分を1日の終わりに、または作業の合間の気分転換に、休日のリラックス時に、しばしば持てたら、なんと豊かな心持だろうか。

そして筆者がうれしかったのは、実はこの15分がノーカロリーだったということなのだ。仕事の合間の気分転換にケーキを食べたら数百kcal、カフェでキャラメルマキアート(Mサイズ)を飲んだらそれだけで200kcalを摂取することになるが、シガリロを喫うだけならカロリーは摂取していない。

リラックスして、リフレッシュする15分という贅沢なひとときを自分に与えながらも太らないなんて、ああうれしい。

実際に、女性のシガー愛好家も増えているのだそうだ。著名人でいえばシャロン・ストーンやデミ・ムーア、ジェニファー・ロペス、ハイディ・クルムなど。美と才を兼ね備え、社会的にも活躍している彼女たちが1本のシガリロ、シガーのカロリーを気にしているとは思えないけれど、ゆったりと紫煙をくゆらすひと時をこよなく愛しているのは間違いないだろう。

コロナ禍がすぐに収束するとは思えず、ますます個の時間の充実を問われる2021年。つかの間の癒しとリフレッシュを求めて今日も手を伸ばすのは、1本のシガリロだ。


20歳未満の者の喫煙は、法律で禁じられています。たばこの煙は、周りの人の健康に悪影響を及ぼします。健康増進法で禁じられている場所では喫煙できません。喫煙は、様々な疾病になる危険性を高め、あなたの健康寿命を短くするおそれがあります。ニコチンには依存性があります。

Promoted by インターコンチネンタル商事 文=秋山 都 写真=奥山栄一

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