ストレスを感じる前に考えるべき、面接に通らなかった本当の理由

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求職中は、面接のプロセスに落胆し幻滅した気分になることばかりだ。自分が採用されなかった理由について、あれこれと考えることがあるだろう。

その仕事を逃した原因としては、年齢差別や人種差別、性差別、希望年収が高過ぎることなども考えられ得る。求職者は大抵、自分がなぜこれ以上面接に呼ばれなかったのか、なぜ他の人が採用されたのかを知ることができないため、けじめをつけることができず、落ち着かない気持ちが残される。

こうして求職者は自分を疑い始め、能力に自信をなくし、前の上司や同僚が自分のキャリアを阻んでいるのではないかと考え始める。

あなたが選ばれなかった本当の理由は単純で、面接の数が足りていないことにある。内定を勝ち取るためには多くの面接を受ける必要がある。面接を受ければ受けるほど、人材を必要としている管理職など面接官と意気投合する確率が高まる。

新型コロナウイルス感染症が流行する現在の求人市場では、選択肢ははるかに少ない。テック業界やネットを基盤とした企業など、現在成功を収めているセクターは確かに存在するが、大部分の企業は足踏みしているか業績が振るわず採用意欲は低めだ。

旅行やホテル、リゾート、レストラン、音楽などの業界やコンサート場、航空会社などはいまだに財政的に厳しい状況にある。こうした分野では、採用中の仕事は少ない一方で求職者の数は多く、供給が需要を上回っている。

新型コロナウイルス感染症が流行する前など、市場が活発なときは「人材を巡る戦争」が生じていたが、それが180度変化した。積極的に仕事を探している人が応募できる、適切で関連性がある仕事は非常に少ない。こうした状況からは、想像できないほど大きなストレスが生まれる。

経験豊富なベテランより安い若手が好まれる現在


ホスピタリティー分野で15年の素晴らしい経験を持ち、以前は高給な上級職に就いていたが、現在は失業中の人を考えてみよう。ホスピタリティーの分野は新型コロナウイルスの流行で大打撃を受け、採用中の仕事は多くない。企業の業績は振るわずコストを抑える必要があるため、こうした企業では10年以上の経験を持つ人よりも、はるかに安い給料で雇える若手人材の採用を望むだろう。

経験がある人材を面接することはあるかもしれないが、管理職は「あなたの経験は素晴らしいです。この分野を理解していらっしゃるようですが、他にも面接に呼ぶ候補者がいます」と言いがちだ。これは「あなたは高過ぎるのでもっと安い人を探します」というサインだ。企業は、面接の裏で何が起きているかを説明してくれないだろう。
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翻訳・編集=出田静

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