米紙ウォールストリート・ジャーナルによれば、モニスはジェニファー・ニューステッド法務顧問と取締役会の監査・リスク監督委員会の下で職務に当たる。広報担当者は、モニスが世界各国でのコンプライアンス・リスク管理の強化に取り組むと説明した。
モニスは米メディア大手バイアコム(現バイアコムCBS)で長年にわたり上級副社長・最高コンプライアンス責任者・最高監査役員を務めたほか、権威ある法律事務所のビンガム・マカッチェンのパートナーや、米連邦検事補としての経歴もある。
モニスの仕事は一筋縄ではいかないだろう。彼は近いうちに、フェイスブックで最も重要な幹部の一人として表舞台に立つことになるかもしれない。同社は現在、多くの疑惑や訴訟、捜査に直面し、会社の将来が危ぶまれている。連邦取引委員会(FTC)と州司法長官の連合は、同社が支配的立場を活用し、新参の競合企業をつぶすためにその機能を模倣したり事業売却の圧力をかけたりしたとして、独占禁止法違反の疑いでそれぞれ別個の訴訟を起こした。
フェイスブックは世界各国の政府からも批判を受けてきた。創業者のマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)はこれまで幾度も米議会で証言させられている。
フェイスブックが対処すべき批判は山ほどある。多くの人は、同社が扇動的な投稿やヘイトスピーチ、陰謀論をもっと積極的に排除すべきだと考えている。フェイスブック上のグループや投稿が人々の過激化を促し、先日の米議会襲撃につながったとの主張もある。
フェイスブックは、ユーザーに対しお勧めグループとして表示する組織の対象から政治団体を排除すると決めたが、これは駆け出しの時期に情報発信のためソーシャルメディアを必要とする新興団体に悪影響を及ぼす恐れがある。