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2021.02.06

在宅フィットネスアプリOnyxをインド企業に売却した20代起業家

Oscar Wong/Getty Images

2018年、カリフォルニア大学バークレー校でコンピュータサイエンスを学んだAsaf Avidan AntonirとJames Shaは、地元のジムに通いながら、パーソナルトレーナーがなぜこんなにも高額なのか、個人のパフォーマンスを記録するのが、なぜこんなにも難しいのかと疑問に思っていた。

この分野では、ペロトン(Peloton)などのスタートアップが、テクノロジーを活用したサービスを始めていたが、それも非常に高価なものだった。「世界中の誰もが気軽に使える、トレーナーとスタジオ体験を提供したいと思った」とAntonirは話す。

そこで2人は、コンピュータビジョンを活用したフィットネスアプリ「Onyx」を開発することにした。Onyxは、スマホのカメラと3Dモーションキャプチャシステムで体の動きを把握し、ワークアウト中のフォームを修正したり、パーソナライズされたワークアウトをリアルタイムで作成することを可能にする。このアプリはフリーミアムモデルで提供されている。

AntonirとShaは、2018年のプレシードラウンドで100万ドルの資金を調達した後、今年に入り新たな投資家を探していたが、意外な展開を迎えることになった。彼らは、インドに本拠を置く大手フィットネス企業Curefitに、Onyxを売却したのだ。

買収額は明らかにされていないが、Curefitは、彼らが投資家を探しているのを聞きつけて、向こうからアプローチしてきたという。「Curefitは、私たちと同じビジョンを共有し、より大きなチームに成長するためのリソースを提供してくれた」と、Onyxの CEOを務めるAntonirは話す。

パンデミックを追い風にしたOnyxは過去数カ月の間、毎月50%増のペースで、新規加入者と売上を伸ばしてきた。買収が決まった時点で、Onyxは約30万人のユーザーを抱えていた。

イスラエル生まれで7歳の時に米国に移住したAntonirは、大学の授業でShaと出会い、マイクロソフトやリンクトインでインターンを務めた後、ソフトウェア企業のIllumioを経て起業したという。中国生まれの両親を持つShaはバークレーを卒業後、フェイスブックでインターンをした後、グーグルで働いていた。

2人はOnyxの成功により、フォーブスの30アンダー30のテクノロジー部門に選出されていた。

Curefitでデジタル部門の責任者を務めるShamik Sharmaによると、同社はOnyxのアプリを維持したまま、テクノロジーを統合していく計画という。

「私たちは、Onyxのテクノロジーの多くを、Curefitのデジタルクラスに取り込んでいく。それと同時に、CurefitのデジタルIDをOnyxのアプリに統合していく」とSharmaは話した。

編集=上田裕資

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