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中国やアジア、中東、アフリカ企業の躍進


ブロックチェーンが世界を変えるためには、この技術がグローバルに拡大していくことが必要だ。第1回目の2019年に選出された50社のうち、33社は米国を拠点とする企業で、13社がヨーロッパを拠点とする企業だった。2020年のリストも欧米に大きく偏っており、30社が米国で、14社が欧州だった。

しかし、2021年のリストは初めて米国以外の企業が半数を占めており、米国が25社、欧州は13社で、アフリカやアジア、中東、ラテンアメリカから合計12社が選ばれた。特に注目すべきは、南アフリカのパルプ生産会社サッピ(Sappi)やインドのテック企業のマヒンドラ、中東の石油大手サウジ・アラムコなどが選出された点だ。

中国も今年7社を送り込んでおり、そこにはアリババ傘下のアントや検索大手のバイドゥ、さらに中国建設銀行と中国工商銀行(ICBC)という大手銀行2行も選ばれた。

中国政府が仮想通貨の使用を厳しく制限する中で、これほど多くの企業がリスト入を果たしたことを不思議に思う人もいるかもしれないが、中国政府はブロックチェーン技術の主要な支持者であり、独自のソブリン・デジタル・カレンシー開発の後期段階にある。

機関投資家らが牽引したビットコイン相場


本年度のリストは初めて、クリプトマーケットの強気相場の中で公開された。2019年のリストは、ビットコインの価格が約5000ドルだった当時に公開された。2020年のリストの公開時には1万ドル弱になっていた。2月2日現在のビットコインの価格は3万ドルを上回っており、さらに重要なのは、ほぼ6週間にわたり2万ドル以上をキープしていることだ。

直近の価格の上昇は、2020年3月12日に発生した大規模な暴落の直後から始まったもので、背景には企業などの機関投資家による大規模な投資が行われたことが指摘されている。今年のリストには、ビットコインに特別な関わりを持つ9社が選ばれた。

その筆頭に挙げられるのは、ビジネスデータの管理・分析サービスを手がける米マイクロストラテジー(MicroStrategy)で、財務戦略として資金の一部を仮想通貨で保有する同社が、10億ドルもの資金をビットコインに割り当てたことも、2020年終盤のビットコイン価格の上昇につながったとされている。

ツイッターCEOのジャック・ドーシーらが設立した決済会社「スクエア」も、2018年1月からビットコインの売買を可能にし、2020年第3四半期(7-9月期)に16億3000万ドルのビットコインの売上を報告した。同社は10月に5000万ドル相当のビットコインを購入した。

さらに、シカゴに本拠を置く世界有数のデリバティブ取引所運営会社のCMEグループは一時、ビットコイン先物取引における世界最大の取引所となり、機関投資家の動向を知らせる指標の先駆者となった。

資産運用大手ストーン・リッジ・アセット・マネジメントの関連会社の NYDIGも、今年初めて本リストに選ばれた。同社はビットコインに巨額の投資を行うだけでなく、機関投資家向けにカストディサービスを提供している。

大手銀行が仮想通貨サービスに乗り出した事例として注目の、シグネチャー銀行(Signature Bank)は、機関投資家がトレーディングを行うためのブロックチェーンベースのシステムを運営している。昨年の同行の仮想通貨の預かり額は400%増加し、100億ドルを突破した。

翻訳・編集=上田裕資

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