一方、ジャシーをはじめ、ベゾスを支える“副官”たちは誰も、それほどの富豪にはなっていない(少なくとも、保有する株式のおかげでビリオネアになった人はいない)。
幹部の2人、コンシューマー部門のトップであるジェフ・ウィルクと、シニア・バイスプレジデントのジェフ・ブラックバーンの資産は、それぞれ推定4億ドル、3億4500万ドルだ。
アマゾンの株価の急上昇株のおかげで、“ビリオネア・クラブ”に入ったのは、元妻のマッケンジーだけ。ベゾスが自宅のガレージで書籍の販売を始める1年前、1993年に結婚した2人は、2019年に離婚。マッケンジーはこのとき、1970万株を受け取ることで同意した。
それによってマッケンジーは、仏化粧品大手ロレアルの創業者の孫フランソワーズ・ベタンクール・メイエール、米小売大手ウォルマートの創業者の娘アリス・ウォルトンに次ぐ世界で3番目に裕福な女性となっている。
もちろん、ハイテク企業の創業者すべてが、それほど多くの自社株を保有しているわけではない。たとえばフェイスブックには、創業者3人のほか、シェリル・サンドバーグ最高執行責任者(COO)、元バイスプレジデントのジェフ・ロスチャイルドなど、雇用されながらビリオネアになった人が複数いる。2001年にグーグルの最初のCEOに就任したエリック・シュミットもまた、起業したこと以外でビリオネアになった一人だ。
ただ、マイクロソフトのサティア・ナデラをはじめ、創業者ではないハイテク企業のCEOのなかには、ジャシーと同様、ビリオネアになっていない人が数多くいる。