コロナ禍で激変する美容業界、ヘアサロンから「消えたもの」は?

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エステの業界は、やはり化粧品の業界と同じく、状況は厳しいようだ。個室で施術する業態であり、特に冬の季節は換気がより難しいだろう。そんなこともあり、人の手が直接触れるエステに行くより、最新の美容機器を買ったほうがいいということになる。

実際、昨年12月のクリスマス時期は、量販店から美容のセレクトショップにまで高級美顔器や高価なヘアドライヤーが並んでおり、売れ行きも伸びているそうだ。時間にも余裕のある巣ごもりに合わせた新たな美容のかたちかもしれない。

ヘアサロンから消えたもの…


ヘアサロンの売り上げは、それほど落ちていないらしい。これは自らカットしに行ったりしてわかったことだが、そもそも髪の毛は自分では切らない(切れないとも言える)。パーマともなればなおさら、サロンに行くしかない。東京のサロンで話も聞いたが、それほどコロナ禍の影響は受けなかったらしい。

美容室は、厚生労働省の管轄で、もともと衛生管理は行き届いている。使う用具は日々、薬や紫外線殺菌器で殺菌していないと営業許可が出ない。鏡まわりに落ちた細かい髪の毛1本1本を毎回掃除してきたスタッフからすると、コロナ対応で除菌液で掃除するにしても、作業には大差がないようだ。

ヘアサロンで気づいた変化は、カフェなどと同じく、店内に流れるBGMがなくなったことだ。静かな声での会話を尊重するためか、無音のサロンやカフェが増えた。実は、これは意外と心地よい。好きな音楽はすでにスマホで毎日持ち歩いている。サロンやカフェで新しい音楽を耳にするより、スマホなら流行りの音楽も検索しやすい。

それに、コロナ禍では音楽よりも、他の人間とリアルに会話する大切さや、貴重な時間を共有する喜びの方が貴重になっている。そこで一気に火がついたのがClubhouseだろう。実際に参加してみると、人の生身の声の大切さや温かさを感じた。「音のSNS」も、対面が難しいコロナ禍だからこそ流行るものなのかもしれない。

連載:オトコが語る美容の世界
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文=朝吹 大

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